2021.7.27市議選出馬21人の顔ぶれ

 現職16人のうち町田正一議員と牧永護議員は、今回の選挙には出馬せず引退の意向を表明していた。このことから2人を除いた14人の現職が出馬確定となりそうだ。新人候補者では、下は20代をはじめとして40代の若い顔ぶれがあり、市民からは市議会に新たな風が吹きそうだと期待の声が上がる。前回と前々回の市長選に出馬した候補者2人も出馬の意向を固めている。さらに、市政に対して「はっきりと物言う議員」への期待感から、市議選出馬前から市議会傍聴や政治活動を続けてきた候補者にも注目が集まっているようだ。

 7人もの新人候補者が名乗りを上げたことから、一方で現職14人の候補者には緊張感が増しているようだ。新人候補者が積極的に展開している辻立ちは、自らの政治理念と顔を知ってもらうために行うことが多い。今回は現職側も辻立ちをする姿が島内各所で見られた。現職の政治活動に市民は「今回は余裕が無いってことだろう。必死になる姿は良い傾向」と話し、現職議員の動向にも注目が集まっている。

 新聞の折り込みや手配りなど、自らの政治理念や市政への考えを書き綴ったチラシの配布も盛んだ。現職議員はこれまでの4年間で行ってきた議員活動や、市政への提案事項、実績を掲げる。新人候補者も、市の財政に関することや議員定数の適正、各産業の低迷打破と活性化に向けた考えなどを訴える。

 今回の選挙は候補予定者とされる21人から16人が当選し、5人が落選となる激戦だ。現職に対して厳しい見方もある。昨年12月のコロナ禍で、市民に感染拡大防止を呼び掛けていた最中に市長ら三役と市職員幹部、議員らによる飲酒を伴う会食が開かれた。市の財政状況などの理由から、4月末から始めた市民団体による市長リコール署名運動は記憶に新しい。リコール運動に反し「署名をしない」と書かれた送付者不明のチラシや、「署名をしない」活動に関わったと思われる関係者とのつながりなど、市民の一票に影響が及ぶことも考えられる。

 

新たな市議会へ市民の期待

 市議選以降の新たな市議会に対する市民の声を集めた。期待やこれまでの市議会に対しての不満の声などあり、今後の改善案となりそうだ。

▽市議会で議員や市職員が話す内容が分かりづらい。もう少し市民に伝わるようにしてもらいたい。特に横文字などの言葉は高齢者には伝わらない。ここ数年前からSDGsとか言っているが何のことなのか。市民生活とどう関係しているのか分からない。一般質問は知識をひけらかすだけの発表会のようだ。

▽市の議案に対して、議会から反対意見が起きても結局は可決で終わる。議案に納得できないのであれば、もっと議論を重ねるべき。すべて可決しているように見える。

▽議員定数削減の案があった。市の人口規模や経済状況などあらゆる角度から検証し、適正な定数を導き出してもらいたい。同様に、議員報酬額の適正な検討も求む。

▽補助金削減や市民サービス低下などが起きている現状は、議会にも大いに責任がある。もっと勉強してもらいたい。