2019.6.18市ケーブルテレビ回線料に補正予算約3300万円追加
市が議案提出、業務移行前の光ネットワーク(株)に運用費用を計上
市は、13日から開会した市議会6月定例会議に上程の6月補正予算で、次期市ケーブルテレビ指定管理者の光ネットワーク株式会社(本社・熊本県阿蘇郡/以下、光ネット)へのインターネット回線使用料として、3362万4000円の補正予算を計上した。補正理由は「運用開始延期に伴う回線費用など」「本市と同社間の回線使用料」としているが、議案書には詳細な説明はない。現在、市ケーブルテレビ運営は、業務移行に伴い関西ブロードバンド株式会社(以下、関ブロ)が今年度末まで業務延長を受け、運営を行なっている。議案を見た市民は「二重払いになっていないか」と説明を求めている。
議案にある「インターネット回線使用料」は、本土から本市に向けて走る海底光ケーブルのことを指している。海底ケーブルはNTTなどの通信業者が管理し、本市で通信網の利用を可能にしているのは、指定管理者がNTTと契約を行い利用使用料を支払っているため。指定管理者は事前にNTTへの通信利用の契約が必要になり、現在は関ブロが契約中だ。
通常、各自治体の海底ケーブルは一業者一回線が一般的で、これまで本市では関ブロがNTTと通信の契約をし、本土からの光ケーブルを利用してきた。市ケーブルテレビ指定管理者の業務移行が来年度まで延長されたため、現在も関ブロが光ケーブル利用の契約更新を済ませて利用可能となっている。
今回の議案では、現在も関ブロが契約する海底ケーブル回線とは別に、光ネットがNTTに支払う回線使用料を計上している。ただ、1つの海底ケーブルに2社がNTTに回線利用料を支払うことから、二重で使用料が発生するのではないかとの懸念がある。
この件について関ブロの話では、回線使用料は利用者からの契約料で支払うことになっており、市が指定管理者に変わり回線料を支払うことはないという。しかし、議案では市が光ネットに対して約3000万円の回線料の予算を組み、そこからNTTに支払う構図になっている。関ブロの担当者は「なぜ別途に回線料がかかるのかわからない。当社は利用者のインターネット契約料から回線使用料を支払っている。市の予算で回線契約はしていない」とする。
一方、市の担当者は「昨年11月には新年度から新指定管理者による運営の想定と、回線の事前申し込みをしなければ間に合わない状況だった。その後に協定書疑義があがり現在に至るので、やむを得ない対応になった」と話す。昨年11月から3月末までの間に、業務引き継ぎの可否判断が難しかったために、本来であれば光ネットが利用者の契約料から支払うべき回線料を市が肩代わりする形だが、回線の二重契約には釈然としない部分も残る。
市議会では今会議で同議案を審議し、採決をしていく立場にある。市議会は市民からの疑問を受け、市に対して詳細な説明を求めていくことが必要とされる。
(続きは本紙に掲載)