2024.11.05九州地区高等学校野球大会、壱岐高、ベスト8で敗退
大分県で開催の第155回九州地区高等学校野球大会に、県大会を2位で通過した壱岐高が出場した。初戦の先月26日、専大熊本(熊本県)に6対3で勝利するも準々決勝の28日、エナジックスポーツ(沖縄県)に2対9の7回コールドで大敗を喫した。同大会は九州各地から出場する16校が甲子園を目指し奮闘、今大会の成績が来春、甲子園で行われるセンバツ高校野球の出場校を選ぶ参考資料になる。秋・春ともに九州大会初出場の壱岐高は部員21人全員が本市の中学出身、初出場の九州大会で8強入りしたことから、春の甲子園出場の権利を得る21世紀枠の可能性が残される。
初戦は快勝するも準々決勝戦は大差で敗退、「強くなり春の大会で帰ってくる」と浦上主将
壱岐高は、県大会では強豪の創成館、準決勝で大崎を零封し、実力を見せつけた。九州大会にはその勢いを保ったまま、大分県の大会会場に乗り込んだ。坂本徹監督は選手に対し常に「練習で積み重ねたことを試合で出すのみ。日ごろの成果が出せれば必ず良い結果が生まれる」との信念を伝えてきた。
壱岐高チーム主力の2年生は島内の勝本、郷ノ浦中の軟式野球部の出身。勝本中は2年前の夏に全国中学大会に出場、郷ノ浦中は2年前の春に開催した九州中学選抜大会で優勝した実績がある。その選手らが集結したのが今の壱岐高野球部だ。
投手陣は創成館を完封した浦上脩吾(2年)を筆頭に、山口廉斗(2年)、日髙陵真(2年)、中上仁(2年)の4人が各守備を交代し投球する。打たせて取る投球スタイルの4人が登板した県大会5試合のチーム防御率は1・38。攻撃は、どの打順からでも得点を狙える長打力が持ち味。県大会のチーム打率は2割7分4厘。フォアボールで出塁する選球眼の良さも見逃せない。
「壱岐から甲子園をめざそう」。いつしかチームだけではなく、島内で応援する市民からも声が聞こえ始めた。離島から本土への出場は交通費や宿泊など出費もかさむことから、島内では大会出場を支援するため寄付金などの協力も始まった。九州大会ベスト4に残れば21世紀枠の有力候補の可能性が高まる。浦上は「初のセンバツ甲子園は自力出場できるようがんばりたい、そのためベスト4以上が目標」と意気込んだ。大会を通じ、野球の技術だけではなく強い精神力も兼ね備えるチームに育った。
初戦の先月26日、熊本県大会優勝の専大熊本を相手に、6対3で初戦を突破した。先発ピッチャーの浦上は7回まで力投を見せ、相手打線から10安打を浴びるも3失点に抑えた。以降は山口にマウンドをまかせ、2回を無安打に抑えるパーフェクトピッチングで終盤の相手の攻撃を封じ、勝利を飾った。
準々決勝の先月28日、初戦を快勝した壱岐高は、エナジックスポーツに勢いを出足で止められ、2回までに8点を奪われた。その後、2点を返すも勝利には届かず2対9の7回コールドで敗退した。
準々決勝の試合後、浦上主将は「自分たちの野球をさせてもらえず、レベルの差を感じた。先発で3点取られ、持ち味のテンポよく投げるスタイルができなかった。後半はチームの持ち味である粘り強さを出せた。負けたことで課題点もわかったので、絶対に強くなって春の大会で帰ってくる」と話した。
坂本監督は「選手らは不調ではなかったが多少の疲れはあった。序盤は力の差があったが6回以降は自分たちの試合ができた。選手にはとにかく攻めようと言葉をかけた。今後も次の大会に向けてレベルアップせねばならない。試合後は『完敗だ、これが甲子園で勝つチームだ』と声をかけ、一緒にがんばろうと誓い合った」と次回大会への意気込みを見せた。