2023.8.074年ぶり、勇壮な法被姿に熱い歓声「郷ノ浦祇園山笠」

 286年の伝統を誇る本市最大の夏祭り、郷ノ浦祇園山笠(壱岐郷ノ浦祇園山笠振興会主催)を先月29、30日の両日に開催した。今年の一番山は下山流、その後を塞(さい)流、新道流、本町流の4流の山笠と、盈科小学校や郷ノ浦中学校の生徒らによるみこしが威勢よく町を練り歩き、元居地区の八坂神社に奉納した。唄子たちが太鼓を打ち鳴らしながら「オッセー、オッセー、ヨーカイタ、ヨーカイタ」と勢いをつける中、山笠が郷ノ浦の街中を巡行し、担ぐ男たちの熱気が街を通り抜けた。

 毎年、7月第4土曜と日曜に開催し、梅雨明けと夏休みが始まる時期が重なるため、郷ノ浦の町には多くの観客が訪れる。2019年まで毎年続いた山笠は、2020年、新型コロナの蔓延により中止となった。以降は昨年まで中止が続き、今年、4年ぶりの開催となった。

 宵の祭りが行われた29日は、午後3時より高校橋から旧親和銀行までの区間が交通規制をかけた。午後4時から神事による開会式、夕方6時から始まる宵の祭りでは、ライトアップの中で各流れの山笠を披露。通りには山笠の装飾に見入る人で溢れ、本町通りとふれあい通り、昭和橋横の駐車場、旧公立病院駐車場ではダンスパフォーマンスなど趣向を凝らしたステージ、軽食などの露店が各流れごとに行われた。

 本祭りの30日は、午前9時から塞神社前で祭りが始まる前の神事が執り行なわれ、同9時半、花火を合図に下山流、塞流、新道流、本町流の4つのかき山笠が順番に塞神社の前を出発。山笠巡行は亀川稲荷神社、金比羅神社とまわり、午前中に八坂神社までの道のりを歩き、山笠の奉納を行った。その後昭和橋付近で海岸かき山が披露、午前中の巡行を終えた。

 午後1時からは山笠最大の見せ場となる100㍍近くある佐賀里(さがり)の石段69段を、山笠をかついで上がり、かき山一番の難所を見ようとカメラ片手の観客が通りに溢れた。高さ約5㍍、重さ約1㌧の山笠を約50人が担ぎ、力強いかけ声と観客の声援の中かけ登った。

 佐賀里の石段を登りきった後、各流が市役所、合同庁舎、振興局、警察署への諸官庁で打ち込みを行い、国津意加美神社へ参拝。新道通りを巡行後、新道バス停前と本町通りでのかき山では、山笠のクライマックスとなる盛り上がりを見せた。