2025.11.18郷ノ浦中、県中学駅伝で初優勝
陸上部2人の挑戦が生んだ快挙。離島の底力、全国へ
諫早市で6日、県中学駅伝男子の部で郷ノ浦中男子チームが初優勝を飾った。地域の予選を勝ち抜いた31チームが出場し、6区間18㌔で競われたレース。郷ノ浦中は序盤から粘り強い走りを見せ、終盤の激戦を制して58分15秒でゴール。2位諫早中に3秒、3位佐世保北中に4秒差という僅差での勝利だった。県中駅伝で壱岐勢の優勝は39年ぶり、同中では初。
チームは陸上部員がわずか2人。バレー部や野球部など、他競技の生徒が助っ人として集まり、部の垣根を越えて挑んだチーム編成だった。それでも全員が毎朝の坂道練習や放課後のタイム走を重ね、団結力で勝ち取った栄冠だ。
1区・加㔟田隆希(3)が9分04秒で流れを作り、2区・西凛乃介(2)が9分39秒で順位を3位に押し上げた。3区・長田琉羽(3)が9分45秒でトップを射程圏に捉え、4区・井上凜紀(3)が9分50秒で首位に立った。5区・川下蒼希(3)が10分15秒で粘り、アンカーの長島築(3)が9分42秒で逃げ切った。全員が誇りを胸に、たすきをしっかりとつないだ。
マスコミの取材に対し、アンカーの長島選手は「一緒に練習してきた仲間と全国大会に行けてよかった」と笑顔を見せた。指導する山村尚耶監督は「壱岐高の甲子園に続いて島民の方々にいい報告ができる」と振り返った。観客は島の代表校を声援で後押しした。
郷ノ浦中は、同市で29日に行われる九州大会と、来月に滋賀県で開かれる全国大会への出場を決めた。わずか2人の陸上部から生まれたチームが、島の仲間とともに走り、県を制した。次は全国の舞台で、壱岐の風が駆け抜ける。
