2021.9.22議案審議でイルカパークの運営問う

市議会9月会議議案審議で新人議員2人が決算を検証

 

決算報告の各経費内訳を問う

 イルカパーク&リゾートの決算報告について、使用経費の使途に的を絞って森議員が疑問点を挙げた。森議員は情報発信委託費の100万円、接待交際費で毎月10万円、会議費で毎月5万円の支出などを例に挙げ、項目別に一問一答で質問した。

 企画振興部長は「税理士による確認、株主総会を経て本会議で事業報告がされている。自主事業については、指定管理者の事業となるので、市からの説明は除く」と前置きして各回答に答えた。

 森議員は「指定管理者による自主事業であり、市は関与しないというが、同施設からの報告書では、指定管理と市との線引きがあいまいだ。以前、市はケーブルテレビ指定管理の業務移行で問題が起きたことがある」として、慎重を期すよう念を押した。

 さらに、「同施設の監査役で、中原達夫氏の確認印がある。監査報告書にキャッシュフロー計算書を確認した旨が記載されているが、私が市に問うと無いと言われた。外部監査を設けるべきではないのか」と指摘した。企画振興部長は「キャッシュフロー計算書と同じ意味の資金繰りレポートがある。それを元に監査をしている。外部監査も検討はしているが、費用面などにより現在の方法としている」と答えた。森議員は「30万円ほどの費用で外部監査はできるはず」と付け加えた。

 森議員の主な質問と企画振興部長の回答は次の通り。

 

森議員の質問と企画振興部長の回答

-情報委託費に100万円が計上されている。

(部長)同施設の魅力向上などの情報発信や写真撮影、原稿作成、メディアなどへのプレスリリースなど。営業活動の委託費などもある。

-接待交際費、コロナ禍の1年で毎月10万も何の接待が必要だったのか。

(部長)自主事業によるもの。

-会議費で5万円の支出。コロナ禍の1年で何の会議が必要だったのか。

(部長)自主事業によるもの。

-令和2年度は元年度よりも売り上げが下がっているが、水道光熱費が上がっている。

(部長)ハード面の事業で、新たに調理場などの施設を新設したため。

-振り込み手数料約350万の内訳は。

(部長)ウェブ予約サービスやトレーナー契約費用など。

-旅費交通費で毎月30万円支出とある。コロナ禍で必要なのか。

(部長)通勤4人で約17万円、トレーナーの国内視察で約217万円など。

-雑費が高い。内訳を。

(部長)自主事業によるもの。

-固定資産圧縮損を問う。対応する資産は何?

(部長)自主事業によるもの。

-受託業務売上と受託業務工事・備品費が売上げと原価で対応するのであれば、その状態で考えたときに市助成金は赤字の補填と考えることができるが、その補填の契約と指定管理業務委託料をすでに払っていることはどう考えるべきなのか。

 また、納品した完成品と備品は一体誰の所有となっているのか?

(部長)納品した完成品と備品は市の所有になる。

-指定管理者の高田代表が株式の75㌫を保有しているが、指定管理を離れたときの資産はどうなるのか。

(部長)協定書により、指定管理者でなくなった場合は、指定管理にかかる資産はすべて市になる。

 

今年度で交付金終了、運営はどうなのか

 山口議員は、「イルカパーク&リゾートには、地方創生推進交付金が充てられている。今年度で交付金は終了となるが、来年度以降も引き続き交付されるのか。終了となって以降、施設の運営はどうなるのか」と問うた。企画振興部長は「同施設への交付金は平成30年度から令和2年度までが事業期間であり、令和3年度は終了している。しかし、コロナ禍により実施できなかった事業は令和3年度に繰り越し、実施する」と答えた。翌年度への繰越金は約2千万円になる。

 さらに山口議員は同施設の交付金について、「まち・ひと・しごと創生会議の資料では、平成2年度のソフト事業関連で約3950万円の支出がある。建物や設備などのハード面では1991万円の支出がある。しかし、今回の決算書にハード面の記載はないが」と問うた。企画振興部長は「同額の支出は、市の事業としての取り組みであるため、会計上の記載はない」と説明した。

 同議員の他質疑は次の通り。

-1991万円の支出では、同施設内の冷蔵庫や設備建設費などとなっている。担当課は市の事業としての取り組みというが、すべて市が賄う事業だったのか。

(企画振興部長)市の一般会計で実施している。

-なぜ、工事のみを市が行うのか。同施設の他事業は交付金として支出されている。

(企画振興部長)同施設は市の所有であることから、市が実施している。