2025.1.28物価高騰対応に5つの支援策

(市議会1月会議)5千円分の商品券を3千円で販売、過去最大のプレミアム率で市民生活を支援

 

 市議会1月会議の20日、生活必需品に関する物資の価格高騰により、市民生活がひっ迫していることや、燃料価格の値上がりによる物流の影響、農漁業者への支援、飲食店や宿泊施設への効果的な支援を行うとして、5つの支援策を示した。中でも過去最大のプレミアム率となる地産地消応援プレミアム付き商品券は、5千円分使える商品券を3千円で販売する。住民税非課税世帯には、1世帯あたり3万円を給付。こども加算分として、児童1人あたり2万円が給付される。

 

 市議会1月会議で市は、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金事業として、物価高騰の影響を受けている事業者や、低所得世帯への支援策を上程した。

 篠原一生市長は14日の定例会見で「限られた国の交付金を現在、支援が必要なことに効果的に使い、市の経済を元気にすることに重点を置いている」と支援事業への意気込みを述べた。

 他の議案には、令和5年度壱岐クリーンエネルギーの決算報告が1件。人事院の勧告に基づき、国の給与改定に伴う市議会議員の議員報酬、市長と副市長、教育長の給与の一部引き上げに関しての条例改正、7億610万円の追加補正など9議案を審議し、賛成多数で可決した。

 壱岐クリーンエネルギーの決算報告について、山口欽秀議員は「同社は市が出資する第3セクターでありながら、芦辺町のなかはらグループと同じ所在地であり、グループ企業の印象が強い。改善すべきではないのか。同社となかはらは一体ではないのか」と意見した。

 企画振興部長は「市も同社に25㌫ほど出資している。事業所在地に法的な決まりはない」とし、「なかはらグループと同社は別会社であり問題はない」と答えた。

 議員報酬と市長ら3役の給与引き上げで、山口議員は「報酬と給与の引き上げは、物価高騰に苦しむ市民の生活状況を鑑みるべき。全国的には民間企業の給与引き上げがあるが、本市の場合はそうではない。市民からはガソリン代、食料品などの値上げで生活が苦しくなった声を聞く。市民の理解を得られるとは思えず、市民の信頼を高めることにつながらない」と意見した。

 松本順子議員も「市民感情を逆撫でするもの。引き上げ分を、老朽化したインフラ整備、災害復旧費、社会福祉の充実などに充てるべき。市民生活に役立つ活用を」とし、引き上げに反対した。

 

物価高騰対応に関する主な事業

 

▼住民税非課税世帯支援金給付事業=電気やガスなど光熱費や食料品価格の物価高騰の影響を受けた低所得世帯への生活支援として、支援金を給付する。事業費は全額国庫から1億3570万円。

 対象は、昨年12月13日に市内に住所を有する世帯のうち、昨年度の住民税均等割が非課税となる世帯(ただし、住民税均等割が課税されている者の扶養親族等のみで構成される世帯を除く)に対し、支援金を給付する。

 住民税非課税世帯支援金として4千世帯に対し1世帯あたり3万円を給付。こども加算分として、児童420人に対し1人あたり2万円。

▼物価高騰・地産地消応援プレミアム付き商品券発行事業=過去最大のプレミアム率となる商品券を発行し、市民生活、飲食店や民宿など宿泊施設での消費の下支えと、農業・漁業などへも好影響を及ぼすことで市内経済の活性化を図る。飲食店や宿泊施設での壱岐産の農水産物や焼酎等の利用を促す。補正予算額は7950万円。

 市内の全事業所で利用できる「共通」商品券千円×4枚と、飲食店・宿泊施設でのみ使用できる「飲食向け」商品券千円×1枚の2種類を発行。両券含めた5千円分の商品券を3千円(プレミアム率67㌫)で販売。総数は3万6千セット、一人3セットまで購入可能。販売は4月からを予定。

▼生活物資等物流維持緊急支援事業=燃料価格などの高止まりや物価・人件費高騰により経営が厳しい状況であることから、市内の物流維持のための支給。補助金は対象車両などの保有数によって支給する。

 補助金の額は、普通自動車・けん引自動車のうち対象の140台に対し1台あたり2万6千円。小型自動車の対象20台に対し1台あたり1万3千円。軽自動車の対象40台に対し1台あたり1万3千円。申請期限は来月28日まで。補正予算額は443万円。

▼肉用牛経営緊急支援事業=物価高騰による子牛価格の下落により、繁殖農家の経営が厳しい状況にあるため、緊急的な支援を実施。国の制度の肉用子牛生産者補給金制度が発動、県平均価格が全国平均価格を下回った場合、子牛生産者に販売頭数に応じて四半期ごとに差額の3分の1を支援する。県の支援と併せ計3分の2が支援される。事業期間は3月まで。補正予算額は2884万2千円。

漁業生産特別支援事業=漁業生産特別支援事業=市内漁協が取り扱う出荷用の発砲スチロール箱が1月から10%値上げとなっていることから、価格上昇分に対して支援を行う。事業期間は9月まで。補正予算額は900万円。