2018.7.03無人機の検証報告で反問権 「素晴らしい実証試験だった」と市長自ら評価
無人機の検証報告で市長「反問権」
一般質問で「素晴らしい実証試験だった」と市長自ら評価
市議会6月会議の一般質問で、植村圭司議員は5月に行われた無人航空機実証試験についての検証を求める質問をした。アメリカの航空会社ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社が提供した無人航空機ガーディアンは5月10日から同月24日までの2週間で9回の試験飛行を行ったことで、市は「壱岐のPRに繋がった。宿泊や飲食、交通関係、関連工事などで約8000万円の経済効果があった」と報告。一方、植村議員は「一部に市民への影響があった。このことからも事前に議会での審議が必要だったのでは」と意見し、白川博一市長は反問権を行使し「マイナスと考えるのか」と問うた。
白川市長は無人航空機実証試験の終了を受け、行政報告の中で「離島では国内初。最先端技術の試験であり、国内外で大きな注目を浴び、市の大きなPRになった。経済効果もあった。今後も国家プロジェクトが検討される際には取り組みを検討する」などと述べている。
この報告を受け、植村議員は「12日の一般質問で市長は『人口増のためには何でもあり』だと言った。市の為になるならばが前提だが、航空機試験はどうだったのか」と口火を切り、「市議会全協の説明は今年3月であり、その時にはすでに飛行試験計画が進んでいた。市民に向けた説明はどうだったか」と問うた。
これに対して総務部長は「市民への公開は関係機関との調整に時間がかかったため遅れた。外国機使用申請や検査など未定があった。某テレビニュースはフライングであり正確性にもかけるもの」と返答した。
さらに「行政報告にある8000万円の経済効果の内訳は。またドクターヘリなど市民生活への影響は。これらからも議会での審議は必要だったのではないか」と問い、総務部長は「成果は格納庫工事や宿泊、飲食、交通などで約8000万円だが、まだ取りまとめをしている最中だ。ドクターヘリ運航への影響はなかった。議会では市民の代表である議員へ3回説明した」と答え「今回の航空機試験は市にとって大成功と捉えている」と総括を述べた。
白川市長は植村議員の質問に対し反問権を行使し「マイナスであったと考えるのであれば、どの部分か」と問うた。植村議員は「全てがマイナスとは思っていない。しかし市民への説明の遅れや対応が足りなかった。そういう部分的なマイナスはあったといえる」と反論した。
さらに植村議員は「本市では3機のドクターヘリが飛ぶが、機体によってはタンカの搬入場所が違う。影響がある可能性も考えられた。オープニングイベントでは軍事マニア2人が島外から来ていた。彼らは告知がもっと早ければ他にも島外から来ていたはずだと言っていた。全国へのPRと言うが、告知が遅くはなかったか」と追求した。しかし白川市長は「私は素晴らしい実証試験だったと考えている」と自ら評価を下した。