2025.4.22政治倫理違反に監視の目

市政治倫理審査会、新委員5人を任命

 

 市は11日、市政治倫理審査会(政倫審)委員の任期満了に伴う新たな委員の任命と、審査会委員による会長、副会長の選任を行なった。委員の任期は今年度から4年間。

 新たな委員には、長崎県立大地域創造学部公共政策学科の車相龍(チャ サンリョン)教授、法テラス壱岐法律事務所の木本眞次弁護士、坂口琢也司法書士、市民代表に牧永護さん、後藤久志さんの5人が就任した。会長に車教授、副会長に木本弁護士が選ばれた。

 政倫審は、政治倫理確立のために必要な事項の調査などを行うことを目的とする。政治倫理基準違反の疑いがあった場合や市民から調査請求があった場合に調査を行う。市長・副市長・教育長・市議会議員に対し、事情聴取や資料の提出を請求できる。さらに、調査対象者や関係者に必要な調査を行い、場合によっては政倫審が必要と認める措置を勧告することができる。

 調査対象は、▽議員や市長などの責務に対すること▽政治倫理基準に違反している疑いがある場合▽市の公共工事などに関する遵守事項に反する疑いの場合など。

 市長や市議会議長が政治倫理基準違反の疑いを持った場合には、直接政倫審に審査請求ができる。市民からの調査請求は、市内有権者の100分の1以上の有効連署を提出し、市長や議長が請求を受理したのちに調査可能となる。

 審査付託を受けた政倫審は、60日以内の審査を行い、結果を市長、もしくは市議会議長に報告、勧告を行う。違反が認められた場合は、市報などで市民に公表する。

 篠原一生市長は「全国、また県内でも政治倫理を問うような問題が発生している。問題が発生した場合、良い事業を行なっても市民の信頼は得られない。公平公正、透明で開かれた市政運営とするために委員の働きに期待する」と述べた。

 車会長は「本来であれば、政倫審の仕事がないことがベスト。政倫審は政治を追求、権力を追求する中で悪いことをしないように監視するということが仕事になる。また、監視だけではなく、価値のあることを追求していくということが積極的な倫理の意味でもある。本市は16年ぶりに新市長を迎え入れた。市政が正常に機能するよう、委員としての任務を果たす」とあいさつした。