2026.1.01市長・副市長減給案を否決

市職員の公金横領で責任論交錯【市議会12月会議】

 市職員による公金横領事件を受け、市が行政責任を示すとして提出した市長・副市長の給与減額案が、市議会12月会議で否決された。議会では責任の取り方や再発防止策を巡り質疑が相次ぎ、「形式的な処分では市民の信頼回復につながらない」との声が広がった。

 

 否決されたのは、市長と副市長の給与を1か月間、それぞれ10分の1減額する条例案。市は「行政トップとしての責任を明確にするため」と説明したが、議会側からは「減給が再発防止に直結するのか」と疑問が呈された。

 質疑では、事件が発覚するまで横領を防げなかった管理体制が焦点となり、「個人の倫理観だけで片付けるべきではない」「不正を見逃す組織構造そのものに踏み込む必要がある」との指摘が相次いだ。直属上司への訓告処分についても「処分が軽く、組織全体に緊張感が及んでいない」との声が上がった。

 また、複数の議員からは「減給という形で区切りをつけてしまえば、問題の本質があいまいになる」との懸念も示され、再発防止策の具体性や検証のあり方を問う意見が続いた。採決で条例案は、賛成少数で否決した。

 議会は、象徴的な責任表明よりも、原因究明と実効性ある組織改革を優先すべきだと判断した形だ。減給案が否決された今、事件で失われた市民の信頼をどう回復するのか。市は、説明と行政責任を尽くし、具体的な改善策を示す姿勢が改めて求められている。