2020.12.08市議会12月会議で九電工と2億7225万円の随意契約、コロナ経済対策など減額補正を上程
市議会(豊坂敏文議長)は4日、市議会定例会12月会議を開会した。5月以降に矢継ぎ早に施策を展開した新型コロナウイルス感染症対応緊急経済対策事業の減額補正を上程した。事業は「島民限定宿泊キャンペーン」「島民限定バスツアー」「新しい生活様式対応加速化支援金」などの支援策で、予定していた補正額に残が生じたためだ。市は減額理由を「実績による減」としている。施策後の市の報告では、好評により終えたと思われていた。しかし、一部市民らの満足度と支援策の結果に温度差も見え、施策の検証や減額補正の今後の活用に焦点が絞られそうだ。
市は、新型コロナウイルス感染症の拡大が危惧された5月から8月過ぎまでに、疲弊した市内経済や事業者を支援するため、各種の感染症対応緊急経済対策事業を展開した。施策後、「島民が活用した宿泊やバスツアーなどは一定の予定数に達した」などと報告していた。しかし、12月の補正予算では、軒並み各支援策の減額補正が示されている。
市が上程した主な同事業での減額補正は、▽島民限定宿泊キャンペーンと島民限定バスツアーキャンペーンで3475万円から242万5000円減▽プレミアム付き宿泊券などで4000万円から861万3000円減▽ふるさと応援小包発送事業で310万円から64万5000円減▽新しい生活様式対応加速化支援金で4000万円から995万円減など。減額の理由は「実績による減」と記される。
第3波と言われる新型コロナウイルス感染拡大の中、GoToトラベルやイートなどの施策の見直しが必要と、国も方針の変更が迫られている。本市でもこの先、経済的影響が懸念され、新たな施策が必要となる可能性は高い。その場合、今後示される各支援策予算の有効活用は大きな課題となる。今後は、減額補正となった予算の活用にも注目したい。
2億7225万円を九電工と随意契約
GIGA構想予算の施設通信機器更新工事の契約を上程
市は、同会議で「市ケーブルテレビ施設通信機器更新工事請負契約の締結」として、株式会社九電工長崎支店(長崎市)と2億7225万円の随意契約のため、議案を上程した。
契約は公募型プロポーザル審査委員会で選定した業者との随意契約とされ、10月8日に公告、11月16日に審査委員会を開き、翌日に結果を通知した。
同工事は、国が推進する「GIGAスクール構想」に沿うものだ。学習活動で積極的にICT(通信技術を活用したコミュニケーション)を活用するため、小中学校の児童生徒に1人1台のタブレット端末を配備し高速大容量の通信ネットワークを可能とする整備。9月10日の市議会9月会議にも議案を上程していた。
9月会議で市は、今議会の契約額と同額の随意契約を行うために議会で説明した。しかし、議案上程日に即日採決を求めた市に対して議員は反発、「高額の契約は随意ではなく入札にすべき」などの意見が上がり、市は同月16日に議案を撤回した。当時、担当課は撤回理由を「契約内容を精査する必要があるため」と述べていた。
今回上程の議案も結果的には随意契約としているが、公募型プロポーザル審査を経ている。前回、同契約の経緯に議会は紛糾したが、今議会での判断に再び注目が集まる。