2018.12.04市民の疑問を追求すべき

12月4日からは市議会12月会議が始まる。今年最後を締めくくる定例会で議論すべき題材は山ほどある。県警による入札疑義捜査は市政だけでなく市民にも動揺が走った。市職員だけでなく、入札に関わったとされる建設業者も事情聴取を受け、何社かは捜査線上にあがり、厳しい取り調べを受けたと聞く。

 

この異常事態は、副市長の辞任等により終息を迎えたが、何が起きて何が問題だったのか、なぜ副市長は辞任を選ばねばならなかったのか、何ら詳しい説明は行われていない。この段階で白川市長の行政報告は公表されてはいないが、その中に詳細な説明があるのか気にかかる部分だ。このまま説明がないままでは済まされないほどの事態であったことは、今さら言うまでもない。

市議会では是非、市民の代弁として説明を求めてほしい。公の場の説明は議場でしかできないのだ。県警の捜査中にも、議員らには地域市民から質問や説明を求める声があったと聞いている。議会の機能が果たされることを期待したい。

 

また市ケーブルテレビの指定管理業務の問題もある。本紙の取材で、新旧指定管理者の業務移行や権利をどう対処すべきかの問題が残されていることがわかった。市ケーブルテレビや一支国博物館の指定管理者の決定は、市議会でも審議され決議されている。その意味でも責任はある。

しかし4月1日に新たな指定管理者でスタートを切るとしても、未だ移行への協議すら明確に進んでいない。一般的に権利等の法的部分が絡む問題は数ヶ月で解決するほど単純ではない。会社の権利や数年にわたり蓄積したデータ等は、いわば社の財産とも言える。民間企業の経営が厳しい昨今、無償の譲渡などはあり得ない。多額の金銭が動く場合もある。議会承認もいる。このまま新年度スタートに間に合うのか。

 

議論を尽くしてもらいたい問題は山ほどある。市民が求めるものは正確な情報が伝えられる開かれた市政と、市民が求める声を代弁してもらえる議会。そして少しでも利便性が向上していく生活しやすい環境作りだ。

公の場で市民が知るべき情報の説明があるのか。また市民の利便性に影響ない公共サービスの運営が進んでいくのか。今年最後の市議会の議論に期待を寄せたい。(大野英治)