2019.12.17市ケーブルテレビ業務引継ぎに1億5000万円の有償譲渡

 市ケーブルテレビの指定管理者業務引継ぎで、市と関西ブロードバンド株式会社(以下、関ブロ)の合意による、契約者個人情報や施設設備関係の有償譲渡として1億5000万円を関ブロ側に支払うことが、市政策企画課担当者への取材(9日付)でわかった。譲渡額は市議会12月会議の議案資料にも記されている。今議会では、有償譲渡費用についての理由や内訳などの説明が待たれる。

 

 市議会12月会議にある今年度12月補正予算の中で、市ケーブルテレビの指定管理者業務引き継ぎに関する予算が計上された。議案には、計3億4192万1000円とする減額補正を上程した。

 市議会8月会議で、現指定管理者の関ブロとは別に新たに市で施設を再構築するためとして、6億4797万3000円の補正予算が可決していたが、関ブロと話し合いによる合意が10月に成立したため不要額となった。

 合意により、これまで壱岐ビジョンを介し関ブロが管理していたインターネット接続のIDやパスワード、メールアドレスなど、個人情報や業務に関わる設備関係を有償譲渡で市が引き継ぐ。合意成立の公表時、「移行は無償か、有償か」との記者からの質問に対し、白川博一市長は「有償譲渡になる。費用は12月会議で説明する」と述べていた。

 今回の議案には、電気通信システム等移行業務の名目で、実質的な有償譲渡に関して示されている。「指定管理者変更に伴う引き継ぎ業務に係る経費」の説明が補足され、費用に1億5000万円の記載がある。市政策企画課は、この費用は関ブロに有償譲渡費として支払うものだと説明した。

 また、6月議会で市は、「来年4月以降、新指定管理者によるサービスができない予想がある」とし、関ブロが利用中の海底ケーブルとは別に、新たな回線使用契約料として約3300万円の補正予算も可決していた。使用料の二重契約は、異例の事態だった。