2025.7.20島の将来を託す市議選始まる
現職14人新人4人、計18人が16議席を争う
13日告示、20日投開票の市議会議員選挙投開票日が近づき、期日前投票はすでに始まっている。今回の市議選は当初の見通し通り、現職14人新人4人の計18人が立候補に名乗りをあげた。昨年の市長選を経て、新たな壱岐に向かいつつある中、市議会議員への期待も高まっている。市民が投じる一票の行方に本市の将来がかかる。有権者数は2万361人(男9724人、女1万637人)=12日現在、市選管調べ=。
各候補者は13日から出陣、18人が7日間の選挙戦に入った。市内各所で今後の市の方向性や財政問題、子育て支援、産業の活性化や雇用などをアピールし、有権者へ支持を訴えた。
期日前投票は19日まで、市役所4か所(壱岐の島ホール、勝本庁舎、芦辺庁舎、石田庁舎)に開設され、午前8時半から午後8時まで。
投票は20日午前7時から午後6時(長島、大島、原島は午後4時)まで。投票所は、郷ノ浦町12か所、勝本町6か所、芦辺町8か所、石田町4か所の市内計30か所に設置され、同日午後7時から郷ノ浦町の壱岐の島ホール中ホールで開票する。
郷ノ浦町から新人3人、激戦の地か
現職16人のうち市山繁議員と豊坂敏文議員は、今回の選挙には出馬せず引退の意向を表明した。このことから2人を除いた14人の現職が出馬確定となった。新人候補者は、30代の若い世代から70代までと顔ぶれは幅広く、芦辺町1人、郷ノ浦町3人の新人が名乗りをあげた。
芦辺町から出馬の新人、酒井真吾さんは、約3年前に八幡地区の鵜瀬和博県議が県議選出馬のために市議辞職、市山繁さんが今回の市議選に出馬しないことを表明したため、同町では2人減の中から出馬になる。
勝本町は、現職3人のうち豊坂さんが出馬しないことで、3人から2人の立候補となる。豊坂票がどこにまわるのかに注目したい。
石田町は現状2人に対し立候補も2人。顔ぶれも同じことから、安定の選挙なのか、それとも他町を含めた票の動きになるのか、市民の動向が気になる。
一方で、郷ノ浦町は現職全員が立候補する中で、中山忠治さん、山本泰久さん、菊池弘太さんの新人3人が出馬することで、激戦が予想される。立候補者地区は、初山地区1人、本町の周辺地区4人、沼津地区3人、渡良地区1人の計9人。立候補者18人中、半数の9人が郷ノ浦町からの出馬で、選挙の行方を左右する地区になりそうだ。
市議会への期待に市民の反応
市民からは、これまでの市議選との比較で新人数が少ないことに若干の失望感の声があがる。前回2021年の市議選では、7人もの新人候補者がいた。2017年の市議選は6人の新人候補者だった。そして、今回は4人だ。これまでの市議選で市民からは「市議会に新たな風が吹きそうだ」と期待の声があがっていたが、今回はほぼ皆無に近い。
13日の告示以降、政治理念と顔を知ってもらうために辻立ちをする候補者の姿が島内各所で見られる。新聞の折り込みや手配りなど、自らの政治理念や市政への考えを書き綴ったチラシの配布も盛んだ。現職議員はこれまでの4年間で行ってきた議員活動や、市政への提案事項、実績を掲げ、新人候補者は、市の財政に関することや議員定数の適正、各産業の低迷打破と活性化に向けた考えなどを訴えている。
今回の選挙は候補予定者とされる18人から16人が当選し、2人が落選となる。市民からは「きちんともの言う議員であってもらいたい」「民意を市政に示せるような仕事ぶりが見たい」「市の議案に対し、議会から反対意見が起きても結局は可決で終わる。もっと議論を重ねるべき。市の監視機関ではなく追認機関に思える」「是々非々の審議と採決を求める」などの声がある。市民は、期待に応える市議会を求めている。