2019.9.17外部監査や運営体制を指摘

壱岐イルカパークの経営状況で役員報酬や運営体制に異議の意見

 

 市議会9月会議議案審議が行われた10日、壱岐イルカパークの指定管理者に指名されているイキパークマネジメント株式会社(高田佳岳代表取締役)の、平成30年度経営状況報告に関する質疑があった。質疑は、昨年11月9日から3月31日までの管理費などの報告に対して、役員報酬や従業員給与、経営監査に関するものなど。報告では、4月のリニューアルオープン以前の閉園期間が給与報酬などに該当されていた。このため審議では入園料などの売上がない期間の報酬決定額に疑問を投げかけた。また、今後の適正な運営のために外部監査を置く必要を指摘した。

 

壱岐イルカパークの昨年11月9日から3月31日までの約5か月間の経営状況を示す報告書では、役員報酬に350万円(月額約70万円)、給与手当に132万1995円の記載がある。また、同期間の売上高では4247万1000円と記載があるが、市は「リニューアルオープン前の閉鎖期間であり、市からの業務委託料が該当される」と説明する。同期間の同園売上高は、来園料などからの売上ではなく、市の予算からとされる。

 久保田恒憲議員の「役員報酬は何人が該当されるのか」との問いに、企画振興部長は「高田氏1人になる」と答えた。植村圭司議員は「役員報酬の裁量権や給与手当の裁量権は誰にあるのか」と問い、企画振興部長は「役員報酬は株主が決定する。給与手当はイキパークマネジメント(株)にある」と説明した。

 小金丸益明議員は「今年度から交付金が拠出される。監査はいないとあるが、交付金の流れなど市民に広く知らせるべきであり、そう言う観点からも監査報告はすべき」と述べた。また、「同園の建物やレンタル資材などの所有権はどこなのか。市か、指定管理者か」と問い、企画振興部長は「建物や設備関係は市の所有、キャンプ用レンタルなどは指定管理者所有となる」と説明した。小金丸議員は「これまでにも指定管理者制度については、様々な問題が起きている。契約などのルールを明確に」と注意を促した。

 町田正一議員は「資本金100万円のうち75㌫は高田氏にある。ほとんどの株を所有し、いわゆる個人商店と変わらない」と指摘した。この事から、役員報酬や給与手当の裁量権は高田氏にあることがわかった。また、町田議員は「これだけ大きな事業で、株主役員が1人とはあり得ない。監査役も置くべき」と述べ、「3年後の経営数値目標が示されていない。もし、倒産したらどうなるのか。指定管理者が最終的な責任を取るのか」とし、「指定管理者制度は、これまでも問題が起きている。見直すべきであり、市として市長が株主として入るべきだ」と意見した。

 市の説明では、イルカパークの前年比売り上げは約20㌫増を示しているとする。しかし、議員らが指摘するように3年後以降の具体的な説明はない。久保田議員は「議会として承認しているからには、今後は応援だけでなく指摘もしていく」と厳しい意見を伝えた。

 イルカパークは、イルカのみに依存しないリゾート施設として、カフェ営業やキャンプ、アウトドア関連事業を展開している。観客動員数は5年後までに年間約5万人を目指している。一方で、具体的な目標達成プランや運営の不明確さが、今回指摘された。