2024.10.22壱岐高、惜しくも準優勝

九州地区高等学校野球県大会、26日から大分県で開催される九州大会に出場、ベスト4入り目指す

 

 第155回九州地区高等学校野球長崎県大会の決勝戦が14日、長崎県営野球場で開催され、決勝に勝ち進んだ壱岐高が海星と対戦、6対4と惜しくも敗れたものの、26日から大分県で開催される九州大会に出場する権利を得た。優勝は6季ぶり33回目の海星、準優勝は壱岐、3位決定戦は波佐見が大崎に10対0で勝利した。壱岐と海星は九州大会ではベスト4以上で有力となる選抜甲子園出場を目指す。壱岐高の九州大会出場は、離島を含む島の高校では初となる快挙だった。

 今大会の壱岐高は強豪チームを相手に一歩も引くことがなかった。県内の出場校は全43校。初戦、壱岐高は佐世保南を相手に12対1の大差で勝利、続く第2試合も島原中央に10対0で勝利した。準々決勝では2年連続4回目の夏の甲子園、去年はベスト16まで勝ち上がった創成館を相手に2対0で勝利、準決勝へと進んだ。

 準決勝の12日、順調に勝ち進んだ壱岐高は大崎と対戦、県内の島同士の対決となった。選抜甲子園に出場経験のある大崎を相手に、2回に先制点を挙げ、3回にさらに追加点を奪うなど、終始リードした展開で試合を運び3対0で勝利、決勝へと駒を進め壱岐高では初めての九州大会出場の権利を得た。

 

海星相手に善戦

 決勝戦の14日、先発ピッチャーは浦上脩吾投手(2年)。1回表の海星の打者を3人で抑え、順調な滑り出しで始まった。1回裏、壱岐高の攻撃は先頭バッターの小西桜ノ介選手(2年)が2ベースヒットを放ち、4番バッターの日髙陵真選手(2年)のヒットで1点を先制した。

 2回、3回と両校の無得点が続く中の4回表、浦上投手から日高投手に交代、打者3人を抑えた。4回裏の壱岐高の攻撃で山口廉斗選手(2年)がライト前ヒットで出塁、続く島村昊尚選手(2年)が送りバントでランナーを2塁に進めた。ここで久保田空輝選手(1年)が代打に立ちセンター前ヒット、1アウトランナー1、3塁の得点チャンスを迎えた。続くバッター安原奨弥選手(2年)の場面で、1塁ランナーが2塁へ盗塁、同時に3塁ランナーがホームを目指し1点を追加、この時点で2対0と試合をリードした。

 5回表、海星の攻撃で、これまで順調な投球を重ねてきた日高投手の投球に乱れが見え始めた。フォアボールなどで出塁を許し、ランナー2、3塁で打者に対し暴投で3塁ランナーがホームイン、1点を与えた。続くバッターにもフォアボールで満塁のピンチとなった。ここで再び浦上投手に交代、フォアボールの押し出しなどで、この回4点を奪われ、海星にリードを許した。

 5回裏、壱岐高の攻撃で出塁するも点には結び付かず無得点。6回表には浦上投手から山口投手に代わり、3者凡退で海星の攻撃を抑えた。7回表、再び海星の攻撃が始まった。ヒット2本が続き1点、さらにスリーベースヒットを打たれ、この回2点を許し、壱岐高は4点差を追う展開となった。

 8回裏、壱岐高の攻撃で先頭バッターの日高選手と続く山口選手がフォアボールで出塁、久保田選手がヒットを放ち1点を追加、安原選手にデッドボールがあり、2アウト満塁のチャンスが訪れるも、その後は追加点にはつながらなかった。

 迎えた最終回、壱岐高は岩本篤弥選手(2年)がフォアボールで出塁、続く浦上選手の内野ゴロは相手のエラーでランナー1、2塁のチャンスが訪れた。その後、ランナーが3塁に進み、山口選手がライトフライを打ち、タッチアップで3塁ランナーがホームイン、1点を加えた。その後も逆転を目指し攻撃を続けるも、さらに追加点を得ることができず、6対4で試合は終了した。

 試合後、キャプテンの浦上選手は「九州大会への出場権を得たことはうれしかったが、自分たちが目標にしていた今大会優勝に届かなかったことは悔しい。2点を先制したが、その後に守備の乱れなどがあり点を取られてしまった」と試合を振り返った。

 観客席には本市からの応援団と壱岐商、長崎南高校のブラスバンド部が応援に駆けつけたことに「応援に後押しされ、良い雰囲気だった。粘って戦ったが応援に応えられず申し訳なかった。九州大会に向け、これまでの反省点を振り返り練習に励む。九州大会ではベスト4に入り、初の選抜の甲子園に出場できるようがんばりたい」と意気込みを語った。

 坂本徹監督は「試合を重ねるごとに日頃の練習の成果が出た。しかし、決勝戦はいつも通りの試合ができなかった。これも決勝戦の重み。九州大会はベスト4を目指し、自力での甲子園出場を目指す」と述べた。