2024.6.04国保険税、平均13㌫引き上げに

市議会定例会5月第2回会議を開会、国保税の改正などを審議

 

 市は27日、市議会定例会5月第2回会議を開き、市税条例と市国民健康保険税条例の一部改正に係る専決処分の報告とマイナンバーの行政手続きにおける法律に基づく個人番号の利用と特定個人情報の提供に関する一部条例の改正、市国民健康保険税の一部条例の改正など4議案を審議し、賛成多数で可決した。市国民健康保険税の見直しにより、保険税が一人当たり平均約13㌫(試算)ほどの引き上げになる。昨今の物価高騰や市内での賃金引き上げの低迷など、市民生活への圧迫が続く中、今回の保険税引き上げはさらなる負担増になりそうだ。

 

 市の説明では、国が定めた国民健康保険税の算定方法によって算出している。国民健康保険税の医療保険と後期高齢者医療の支援分、介護保険負担分の引き上げになるという。市の試算では、加入者によっては引き上げと引き下げの対象となり差が生じるが、平均的には一人当たり約13㌫の引き上げになるという。

 市によると、市国民健康保険者数と国保世帯数は年々減少傾向にあり、2019年は人口2万6070人(3月31日付、住民基本台帳による)に対し加入率は28・4㌫、2021年は人口2万5171人に対し27・65㌫、昨年は人口2万3995人に対し25・06㌫と厳しい加入率にある。

 市が公表した2019年から昨年までの市国民健康保険特別会計の単年度収支は年々赤字化となり、基金を取り崩して対応してきたが、現行税率のままだと2019年度に1億7570万5千円だった基金保有額が、昨年度の見込み額では1972万5千円に減少する見通しだ。このため、今年度から基金の繰入を取りやめることと、保険税の引き上げで均衡を図る。今回の改定には市の財政状況が関係しているようだ。

 この状況に山口欽秀議員は「まさに市民の負担増。今後、基金がなくなった時の対応はどうなるのか。算定基準に当てはめれば、今後も保険税の引き上げにならないか」との問いに、保健環境部長は「今回の基金の算定額により、毎年400万円ほどの基金を積み立てていく予定。税の改正で毎年基金を積み立て、その分を原資として健全な運営を図りたい」と説明した。植村圭司議員は「保険税の算定の見直しの方針を聞きたい」とし、保健環境部長は「3年程度の期間で見直しを考えている」と答えた。

 保険税の改正は4月1日より開始している。