2023.3.14北串会、認定こども園事業から撤退

 市議会3月会議の7日、白川博一市長は、郷ノ浦町柳田地区で認定こども園の建設計画を進めていた社会福祉法人北串会(雲仙市、中路秀彦理事長)から、同園建設から撤退することを6日付で連絡を受けたと発表した。白川市長は「電話で報告があった。同会には後日、正式に文書を提出するよう求めた」とするが、明確な理由は不明のままだ。同会は1日、建設地の近隣住民へ工事着工の報告などで来島していた。さらに後日、建設地の見直しと反対を掲げていた市民団体代表に対して「15日には工事に着手する」と、建設に向け意欲を見せていただけに、突然の撤退に疑問が生じている。

 

6日付で突如、市に報告。認定こども園建設は白紙に

 

 白川市長は「本市の保育環境の充実に期待していたのだが、残念な思いだ」とし、北串会による本市事業からの撤退の意思が伝えられたことを報告した。

 同園の建設計画は昨年6月会議で議案に上がり、市議会は賛成多数で可決、工事着工に向けて計画が進められた。しかし、建設地の安全性などに疑問を訴えた市民は、建設予定地の見直しの考えを見せ、昨年8月末に建設予定地に反対する市民団体が発足した。市民団体は同年11月末までに約3千筆の反対署名を集め、市や同会に提出するなど反発の意思を見せた。

 3月会議で市は、年度内に工事完成のめどが立たなかったことなどから、来年度へ予算1億7265万8千円の繰り越し案を上程していた。市は、すでに支出負担行為を行なっているため、諸手続きを終えたのちに、補正予算の修正などを行う予定だ。