2024.5.21初夏の風物詩、ホタル乱舞始まる
夜の河川や田園でのホタル出現に市民が観賞、光舞う姿に感動
島内各所の河川や田園でホタルが見ごろを迎えそうだ。気象庁やウェザーニュースなどの予報では、先月以降から高温傾向が続いたことにより、九州各地では例年より早い同月後半から飛び始めているとの報告がある。本市では今月上旬から徐々に出現報告が届き、10日以降からは本格的な見ごろが始まった。
(写真は清水橋上流)
日本で「ホタル」といえばゲンジボタルやヘイケボタルが一般的で、この時期、島内で見られるのはゲンジボタル。島内各所の水辺で今年もホタルが舞うシーズンがやってきた。静かに点滅する淡い光が飛び交い、夜を幻想的に彩っている。
市内各地のホタル観賞ポイントではゲンジボタルがゆっくりと光を放ちながら乱舞している。今年はゴールデンウィーク前半と後半が悪天候に見舞われ、例年に比べ上旬まで夕方以降の気温は低めだったが、10日以降からは気温も上昇し、ホタルが飛び交い始めた。市内には約20か所の観賞ポイントがある。全国的にみても本市のホタル群生数と群生か所は多い。
すでに今月上旬から市内での目撃情報が届きはじめた。ホタルがよく飛ぶ時間帯は日没後、暗くなった午後7時45分ごろから舞い始め、同8時30分くらいにかけての1時間ほどがピーク。同9時を過ぎるとホタルの数が少しずつ減ってくる。ホタルは光を嫌うため、曇っていて月明かりのない日や風が弱い日、気温が20℃以上という気象条件がそろった日に多く姿を現す。ピークは5月下旬ごろまで。
10日時点で見ごろを迎えているのは、郷ノ浦町の清水橋周辺。ゲンジボタル十数匹が飛んでいたという情報がある。来週から下旬にかけて島内各所の観賞ポイントで幻想的な乱舞が見られそうだ。
主な観賞場所は、「郷ノ浦~石田線の清水橋上流付近」で、川沿いの300㍍ほどにわたって生息。「勝本町新城橋付近」は、橋の上流下流ともに生息し、橋の上から観賞できる。「綿打橋から前田橋付近への下流」にかけては、交通量の多い道路に面しておらず、ヘッドライトなどの光源の影響は受けにくいが、車一台分のみ通れる農道なので、通行に注意。他にも初山方面の六人地蔵付近の柴山橋、梅の木ダムや男女岳ダム下流付近、安国寺付近などで飛翔情報が寄せられている。
小さな田園が広がる清水橋上流では、日が沈み夜のとばりが下り始めると、川のほとり沿いに無数の光が顔をのぞかせ一帯に黄緑色の光跡を描いた。清水橋では、観賞に訪れた家族連れが道路脇に車を停めて川岸を歩き、この時期だけの風物詩を静かに眺めた。