2021.10.26不登校17人、いじめ認知7件

昨年度の市内小中学生の実態調査、不登校やいじめは未だ無くならず

 全国の小中高特別支援学校で文部科学省が毎年この時期に行う「問題行動・不登校調査」から、市内小中学校の昨年度の不登校数といじめ件数が分かった。市教育委員会によると、昨年度の不登校の児童生徒数は17人、いじめの認知件数は7件。前年度比から減少傾向にあるが、解決への課題は残される。

 

 昨年度の市内小中学校の不登校数の内訳は、小学校で前年度比4人減の0人。中学校は前年度比2人減で17人。いじめの認知件数の内訳は小学校で前年度比6件減の4件。中学校は前年度比2件減の3件。

 県内はおろか、全国でも児童生徒の不登校やいじめは深刻となっているが、本市の場合はともに減少傾向で改善に向かっているようだ。市教委学校教育課は「各校の先生方や校長先生の改善に向けた努力だと思う。特に昨年は新型コロナウイルスにより、全国的に学校環境の変化があったが、本市の場合はコロナによる休校日も少なく、全国的なデータとは違う傾向」と語った。

 文科省の調べでは、全国のいじめの件数減の要因の一つは、新型コロナウイルスの感染防止のため、長期間にわたる休校などで、学校生活が変化し、子ども同士のかかわりが減ったことを挙げた。同様に不登校数の増加も、フリースクールなど学びの場の多様性を要因の一つとした。

 全国公立私立学校の「問題行動・不登校調査」の結果は、小中学校では昨年度の不登校数が前年度比から8・2㌫増の19万6127人と過去最多だったことが分かった。高校と特別支援学校を含めたいじめの認知件数は7年ぶりに減少し、前年度比15・6㌫減の51万7163件、深刻ないじめの「重大事態」は前年度比28・9㌫減の514件。一方で、SNSなどインターネットを介したいじめは、前年度から946件増の1万8870件で過去最多となっている。

 県教委がまとめた公立の小中高校と特別支援学校の調査では、昨年度の不登校数は前年度比116人増の2279件で過去最多。いじめの認知件数は前年度比630件減の2038件だった。

 不登校数の内訳は、小学校536人(前年度比81人増)、中学校1373人(同38人増)、高校370人(同3人減)。いじめの認知件数の内訳は、小学校1471件(前年度比422件減)、中学校483件(同132件減)、高校82件(同58件減)、特別支援学校2件(同18件減)だった。