2019.12.09【芦辺中新校舎建設遅延】市長と教育長の行政責任は1か月の減給。 工事請負業者は5か月間の入札指名停止に
市議会定例会12月会議で芦辺中新校舎工事遅延の責任を上程
4日から開会の市議会定例会12月会議で、3度にわたる工期遅延を起こした芦辺中校舎改築と改修工事の行政責任者である白川博一市長と久保田良和教育長に対して、給料の1か月分から10分の1減額することを示した。白川市長は6月議会で「私が発注者であることから、行政責任をとる」と、自らの責任を明確にすることを述べていた。
芦辺中新校舎は、これまで3度もの工期延長を経て10月末に完成した。当初の工期取り決めでは、昨年6月に市と契約を交わした(株)なかはらが工事に着手し3月末には終え、新年度から新校舎での開校となる予定だった。しかし、今年の3月議会で市教委から工期の遅れと繰越明許の申し入れがあり、7月末までには完成することで市議会も承諾した。1度目の遅延発生だ。
その後、市議会6月会議の白川市長による行政報告により、2度目の遅延が告げられた。行政報告では「さらに遅れが生じ、8月末の完成になる」と釈明している。しかし、この発表からわずか15日後、白川市長と久保田教育長は「さらに延期になる。10月末まで延長」とし、3度目の遅延への理解を求めた。
この時、市議会は「工程会議で工事の遅れに気づかなかったのか」と紛糾。3月に行われた工程会議で、工事目標75㌫に対しわずか20㌫の出来高だった事実に対して「なぜ遅延発覚時に適切な対応をしなかったのか」と詰め寄った。久保田教育長は「災害復旧工事との並行による人員不足としか言いようがない」と釈明している。
しかし、3月議会の行政報告では、「建設用地内に農水管があり、現況調査などで3か月程度の遅れが起きた」との遅延理由で市議会は繰越明許を可決していた。この時は「人員不足」を理由とした説明はなく、「農水管」を理由とした説明での可決に、その後も疑問が残ることになった。現在も農水管による遅れの詳細な説明はされず、3月以降は「人員不足」のみの理由しか公表されていない。
当初完成予定から7か月もの遅延と、3度の工期変更を招いた状況把握不足による生徒や保護者への不信感、不透明な部分がある遅延理由など、疑問が残されたままの行政運営に、一部の市民からは不満の声が漏れている。
白川市長は、工事を請け負った(株)なかはらに対し、遅延日数に応じた損害金として数百万円の遅延料を請求、また、市の規定に基づく相応の措置として、11月から5か月にわたる指名停止を言い渡した。