2025.4.28「壱岐高旋風」続く、九州大会で存在感

神村学園に7対4で初戦敗退、課題を乗り越え今後に期待

 第156回九州地区高校野球大会2日目の20日、諫早市のたちばなしんきんフィールド・オブ・ドリームスで行われた壱岐高の1回戦は、鹿児島県代表1位の神村学園と対戦。7対4で敗れ準々決勝進出とはならなかった。壱岐高は春のセンバツ甲子園後、故障選手がいる中での苦しい対戦となった。坂本徹監督は「うちは打撃が課題。集中して練習に励む」と目標を掲げ挑んだ同大会で、神村学園の10安打に対し、壱岐高は11安打を放つなど、今後に期待が持てる試合運びだった。

ヒット数は神村を上回る好成績

 今大会までの約2年間、県大会で負けなしを継続し、春夏の甲子園出場の実績がある神村学園を相手に、壱岐高の1回戦が始まった。

 1回表、神村学園の攻撃でいきなり、レフト越えへのホームランで先制点を奪われ、1点を追いかける形で試合が始まった。同回裏、2番打者の岩本篤弥(3年)がヒットで出塁。続く3番、浦上脩吾(3年)が1アウト1塁の1ボールから2球目をライト越えのスリーベースヒットで1点を返した。

 壱岐高の攻撃はなおも続き、4番の日髙陵真(3年)が、フルカウントからの8球目をセカンドライト間へ打ちヒット、5番山口廉斗(3年)の送りバントでランナーを二塁に進め、6番中上仁(3年)が1ストライクから2球目をショートレフト間へのヒットでさらに1点を追加した。

 1回を終え、神村1点、壱岐高3点と2点リードで回は進んだ。4回表に神村学園に1点を奪われるも、5回裏、日髙のライト方向へのヒットで二塁に出塁、山口の送りバントでランナーを三塁に進め、続く中上のヒットでさらに1点を追加した。この回を終え、2対4とリードを保った。5回表、力投を続けた浦上から日髙に投手を変更した。

 6回表、神村学園の猛攻が始まった。ヒットやフォアボールで満塁、ツーベースヒットに加えてフォアボール、エラーなどにより、この回だけで5点を奪われ逆転され、点差は3点に開いた。回の途中、再び浦上がマウンドに立ち、その後の神村学園の攻撃を抑えピンチをしのいだ。7回から9回にかけ、両チームとも得点を加えることができず、7対4のまま試合を終えた。

 3点差で敗退したものの、壱岐高の安打数は11、神村学園は10と上回り、課題だった打撃面のレベルアップが見られた。また、内野側応援席はほぼ満席、球場外の駐車場も満車になるなど、甲子園出場に続く壱岐高旋風は今大会も続いていた。

坂本監督と浦上主将談

「夏に向けてさらにがんばる」

坂本監督「センバツが終わってから取り組んできた課題を伸ばせたとは思うが、9回を通しての体力やゲームメイクがまだまだだと思うので、さらに練習を重ね、鍛えて夏に向けてがんばっていきたい。

 今日の試合は守備のエラーやフォアボールも多く、課題を一つ一つクリアしていかないと夏の大会は勝てない。課題を徹底的にやり込むことが目標。打撃の練習を重ねてきて、神村学園を相手にヒットが打てていることで練習の成果は上がっていると思う。今日の試合は甲子園以降、疲労や故障者が多かったので復帰戦の意味もあった。

 甲子園を終え、しばらくは悔しい気持ちがあったが、今は切り替えができている。スタメン以外の2番手の選手が伸びてきてくれるよう、チーム全員で取り組んでいく」

浦上主将「神村学園は今大会の優勝候補であり、今日の試合は良い経験になった。前半は自分たちの野球ができていたので、今日の経験を生かして次のNHK杯に挑む。最終的には夏の甲子園に行けるように全力でがんばりたい。

 自身のピッチングでは、変化球を多く投げず、ストレートの強化が課題だったが、この課題は克服できたのかなと思えた試合だった。

 チームの課題だった打撃も克服できてきてはいるが、守備面でミスもあったので、両立できるようにさらに練習を積み重ねたい。

 今日も応援の声が多く、みなさんに支えてもらっていると改めて思った。これからの大会でも応援の声は大きくなると思うので、期待に応えるようがんばりたい」。