2019.1.08「中期財政計画」今年度から財政不足に

7年後までの財政見通しは毎年赤字で財政不足が顕著

 

 市は、今年度から4年先までの市中期財政計画の更新分をホームページ上で公開した。人口減少と少子高齢化が急速に進む中、本市の財政状況などを示すもの。同計画は平成27年度に第2次市総合計画を策定し、市の将来像を実現するための具体的な施策の方向性を示すことなどを目的としている。しかし今年度から7年後までの財政収支見通しでは、今年度以降から財源不足が続くことがわかった。

 

 公表された計画によれば、本市財政は平成29年までの収支は黒字を示しているが、今年度から7年先までは毎年のように財政不足が続いていく。市の考察でも「平成30年度以降は財源不足になる」と厳しい見通しをしている。

 説明では「平成31年度から普通交付税が一本算定となることや、本計画期間中に庁舎耐震改修工事や中学校移転工事及び葬斎場建設等に着手し、財源の多くを市債発行に頼ること、また昨年、本市に甚大な被害を及ぼした九州北部豪雨による被害の早期復旧にむけた災害関連事業により、財源不足となる見込み」としている。

 毎年続く財源不足への対応は、財政調整基金や減債基金の取り崩しによる解消で対処するという。しかし5年後の2023年度にかけて、市債の償還等がピークを迎えることから、基金残高も減少していく。

 市では公債費負担の軽減や、物件費や補助費等の経費圧縮、スクラップアンドビルドの徹底を図り最小コストで最大の効果を上げ、適正で効率的な財政運営を行うなどの取組みを図るようにしている。

 しかし各取組みを実行したとしても財源不足は生じ、今年度から7年後までの財源不足額は約31億円となり、この財源不足額に財政調整基金及び減債基金を充当することは避けられない。

 市は「財政調整基金の残高は標準財政規模の概ね10~20㌫の範囲が適正とされ、これから試算すると本市の近年の適正規模は12~24億円程度。2025年度末の残高は12億円が確保できており、当初予算編成に必要な基金の残高も確保できる」とする。しかし「2025年度以降は、現時点で本計画に含めることができなかった事業についての新たな財源負担が生じる可能性もある」とし、将来に向けての基金残高確保が必要になる。