2018.12.25「ふさわしくない」観光大使に否

市観光大使による「縄文祭」の問題点を山内豊議員が一般質問で追及

 

 本市観光大使に任命されているHappy(前田沙智)氏が主催した縄文祭は、今年10月12日に筒城浜キャンプ場広場付近で開催したイベント。島外から約1500人の来場者を迎えたイベントだった。市は「経済効果はある」と評価したが、山内豊議員は「住民への周知は十分だったのか」と問題点を指摘。「観光大使としてふさわしい人物とは考えていない」と厳しく詰め寄った。市は「今年度中に観光大使設置要綱を見直す」と不適正さを認める形の質疑となった。

 

 山内議員は、12日の市議会一般質問で市観光大使によるイベント「縄文祭」について質問をした。山内議員は9月議会の場でも同イベントへの市の対応や周知方法への疑問を質問している。

 山内議員は「同イベントについての問題点は、市民に詳細が知らされず困惑を招いたことだった。周辺住民は何があっているのか知らない人もいたようだ。理由に情報発信の不足がある。市観光大使であり、公平公正さから行政の情報発信はいかなる場合も必要だ」と周知の徹底を訴えた。

 市は「経済効果はあった」と肯定的な考えを示すものの、一方で「市民へ困惑を招いた部分はある」との考えも述べた。山内議員は「やはり情報発信の薄さが露呈したことが問題。また市は多くの閲覧者を持つブロガーというが、Happy氏はスピリチュアルブロガーだ。スピリチュアルとは霊的や精神的な意味で、本人からも天の声と称する発言がある」と市が示す認識の違和感を突いた。

 市が恩恵を受けたと考える経済効果にも触れ、「結果的に宿泊は野宿だった。市はなぜ『壱岐の宿に泊まってくれないのか』と言えなかったのか。キャンセルを受けた宿もあった」と指摘した。また白川博一市長に対して「経済効果があったと言うが、それならなぜ今議会の行政報告で一言も触れなかったのか」と問い、白川市長は「有料のイベントだったので市はPRしなかった。行政報告に触れないのも同様の理由だ」と答えた。

 一連の質問を終えた山内議員は「Happy氏は観光大使として相応しくはないと考える」と持論を述べた。島内各所に混乱を招いたことが理由だ。また「市長に対して主催者側はイベント2日前に正式案内を出すとは、バカにしているとしか思えない」と憤った。白川市長は事前に予定されていた公務のため、イベント当日は出席していない。

 白川市長は「Happy氏について、十分な調査を怠っていた。ただ本市のPRはしてもらえた。しかしPR部分にばかりに目が向いてしまった。観光大使設置要綱は今年度中に見直す」とした。

 市観光大使設置要綱見直しは、同議会一般質問で植村圭司議員の問いにもあり、市は「市側から観光大使の任期や解任することが可能な見直しをする」と回答していた。