2019.5.21開園わずか約1週間でイルカ1頭が死ぬ(壱岐イルカパーク)
不法侵入者によるいたずらの可能性も。早期の原因究明を
先月25日にリニューアルオープンした壱岐イルカパーク(指定管理者/壱岐パークマネージメント株式会社、高田佳岳代表)は、ゴールデンウィーク10連休の影響もあり、連日500人以上の来場者でにぎわった。しかし、連休中盤の3日のみ急きょ休園した。突然の休園に来園予定者らは混乱したが、理由は同日午前の園内イルカ1頭の突然死によるもの。死んだイルカは前日まで元気に泳いでいたとのことから、原因究明には専門機関の調査が必要になる。また高田代表の話によれば、2日夜に不法侵入者の形跡があり、関連が問われそうだ。関係者らは突然の出来事にショックを隠せないでいる。
壱岐イルカパークは、1993年(平成5年)に開園した本市の代表的観光スポット。しかし、数年以上前から来園者の激減で、新たなテコ入れの計画があがっていた。今年に入り、市は同園施設の指定管理者による運営に踏み切り、同社の高田代表に業務委託を決め、先月25日からのリニューアルオープンに至った。
リニューアルオープン時期がゴールデンウィーク10連休と重なり、市民や観光客などが連日押し寄せる大盛況ぶりを見せた。しかし、好評が続く連休中盤の3日、同園は急きょ休園した。突然の休園に困惑した来園者から、島内観光施設や本紙などにも問い合せの電話が殺到した。
高田代表は「急な休園日となり、困惑は理解していた。しかし、やむを得ない事態が起きた」と説明した。休園の理由は、休園前日の2日夕方までは元気に泳いでいた1頭のイルカが、3日の開園前に体調が急変していることに気づき、その後、死んでしまったことで休園を決めた。死んだイルカは、2017(平成29)年3月に購入されたオスのイルカ。
高田代表の説明では「日々、イルカの健康状態を見ている。3日の朝、1頭のイルカの様子がおかしいことに気がついた。イルカの体調を優先し、この日は休園と決めた。しばらく経過を見ていたが、体調は戻らず次第に海中に沈んでいって死んでしまった」という。死んだイルカの年齢は推定で4歳くらい。飼育されたイルカの寿命は10年から20年ほどといわれ、老衰死の可能性はない。原因究明は専門機関に依頼しているが、結果には数か月から半年はかかるようだ。
死ぬ理由は、一般的に病気による体調不良などあるが、該当のイルカは前日まで餌も食べ、元気に泳いでいたことから考えにくい。以前から病気を抱えていた兆候もない。また、イルカに触れることができる体験メニューが課せられていたイルカでもない。さらに所見で外傷や内臓疾患は見られなかったようだ。
高田代表は、原因として一つの出来事をあげた。「疑いたくはないが、気になることとしてイルカが死んだ前日の夜、閉園後に園内に侵入された形跡があった。もしも侵入者がいたずらなどをした場合、驚いたイルカは思わぬ行動をし、壁などに頭をぶつけて致命傷を負うことも考えられる」という。あらゆる可能性を考えての対策として「閉園後の侵入が容易な施設なので、セキュリティの強化を急がねばならないと考えている」と付け加えた。
現在のところ、専門機関からの調査結果が出るまでは死んだ理由は不明のままだ。また、高田代表が話したように、今回のような連休になれば、島内外から不特定多数の来園も増え、不法侵入者を防ぐためのセキュリティ強化は早急に必要となる。今回の大型連休期間は、イルカパークに訪れる来園者は過去に例がないほどの盛況を見せた。イルカの死に関連する可能性とは別に、来園者増に伴うセキュリティ強化は急がねばならない。
今後、新たなイルカ購入は当初から予定されている2頭のままで、今回の事案による追加はない。