2024.9.24総務委員会判断は否決

柳田・志原保育所の閉所に関する条例と閉所延長要望の請願を審議

 

 市議会9月会議の17日、総務文教厚生常任委員会(植村圭司委員長、以下、総務委員会)は郷ノ浦町の柳田・志原保育所の閉所に関する条例改正について審議した。植村委員長を除く7人のうち、閉所に向けた条例改正に賛成は市山繁、樋口伊久麿、山川忠久委員の3人、反対は松本順子、武原由里子、山口欽秀、清水修委員の4人。総務委員会は反対多数で閉所に関する条例改正を否決した。地域住民と保護者が提出した閉所延長要望の請願は、賛成5人、反対2人で採択した。

 市は市議会9月会議で、来年3月末に柳田・志原保育所を閉所するための「市へき地保育所設置条例」の一部を改正する条例案を上程している。市の説明では「児童の減少で集団的生活の学びや活動の限界を来たす。市子ども子育て会議の答申では、へき地保育所のあり方を求める要望を受けた」などを理由としている。

 一方で、柳田地区の住民や保護者らは「約2年前にあった、認定こども園建設の中止以降、市から説明を受けていない。今年度の園児募集に閉所を前提とした制限をかけた。柳田保育所は利便性が高く、一時継続を望む声がある」などを理由に、閉所の延長を求めた。

 市の方針に納得できないとした、へき地保育所の存続を望む会や柳田保育会は、先月30日、市議会の小金丸益明議長に対し「へき地保育所の閉園延長に関する請願」を提出。総務委員会は17日、閉所に関する条例案と請願を審議した。

 武原委員は「住民の理解と合意形成が重要。今回はなされていない」とし、山口委員は「市は集団生活にこだわるが、厚労省の保育所保育指針にそのような記載はない」として条例案否決の考えで意見した。松本委員は「認定こども園計画がない今、一旦白紙に戻すべき。市は立ち止まる選択肢はないのか」と意見した。

 条例案に賛成の樋口委員は「建物の老朽化や維持経費を考え、閉所はやむなし」とし、山川委員は「市の方針や将来の見通しは、妥当性がある。へき地保育所の現況に限界がある」などとし、閉所の方針に賛同した。

 篠原一生市長に対し委員から「議案を一旦取り下げ、改めて審議する機会を持つべき」の提案に、篠原市長は「保育サービスを手厚くするための閉所条例。閉所による集約化は、認定こども園へのステップ。方針を変えた場合、市民への説明が難しい。議案の取り下げはしない」と反論した。

 総務委員会の判断を受け市議会本会議の25日、市議15人(議長を除く)の判断のもと、最終的な採決を下す。