2021.6.15特定の事業に補正で予算復活

リコール活動後、3月に削減の事業費が6月補正予算で一部復活

 市議会6月会議の7日、補正予算案で市は3月会議で削減となった事業費予算の一部復活を上程した。補正予算案で示された追加補正額は2億7770万円となる。3月会議で可決した当初予算では、各事業や市内団体などへの補助金削減から市民の不満の声が湧き上がっていた。特に高齢者向け事業をはじめとした事業予算削減は市民の不評を買い、突然の財政改革は市長へのリコール活動にまで発展した。復活した事業費は、主に高齢者向け事業などが対象となるが、他事業の今後の取り扱いや今回、一部の事業のみ予算復活となった理由などの説明が待たれる。このほか、コロナ禍で落ち込んだ市内経済への活性化策として、再びプレミアム付き商品券の発売などを上程した。

 

 3月に決まった当初予算による減額から、今回の補正予算案で復活した事業は、主に高齢者向け。追加補正理由はすべて、「事業を継続するには、これまでと同程度の補助金が必要」とした。

 また、新型コロナ感染拡大により失業や収入源などで家計の悪化した子育て世帯を対象に「生活支援特別給付金」として、児童一人に付き5万円を支給する事業なども上程された。

 主な事業は次の通り。

▽市連合遺族会活動補助金追加に9万2千円。地区遺族会活動補助金追加に28万9千円。戦争犠牲者の遺族の各種事業に対して補助するもの。増額の理由は、会員の高齢化で会員の減少が見込まれ、会費の値上げは会員減少につながるため。対象事業所は同遺族会(深見忠生会長)。当初予算の減少額が全額復活した。

▽民生委員協議会運営の活動費補助金追加に64万3千円。民生委員児童委員は無報酬で活動しているため、地域の社会福祉推進役としての役割はこれからも重要とした。対象事業所は市社会福祉協議会(末永榮幸理事長)。当初予算の減少額が全額復活した。

▽市身体障害者福祉協会(品川洋毅会長)への活動補助金追加に42万円。身体障害者福祉の充実と発展のため、同会の各種事業に対して補助するもの。当初予算の減少額のほぼ全額が復活した。

▽老人福祉事業として高齢者の雇用機会を創出するため、シルバー人材センター(崎山憲一理事長)活動費の補助金追加に36万円。市の減額により国の補助金も減額となるため、補助支援が必要。当初予算の減少額が全額復活した。

▽老人クラブ事業費の補助金追加に69万円。老人クラブの活動やボランティア活動、高齢者生きがい健康交流事業などを支援するもの。対象事業所は老人クラブ連合会(末永榮幸会長)。

▽高齢者が利用するゲートボール場の荒廃を防ぐため、地元団体への環境整備協力として、補助金追加に40万円。