2024.7.16市と県の迅速すぎる要望対応
郷ノ浦町ツインズビーチ防波堤の一部撤去工事、要望から工事完了までわずか半月
郷ノ浦町のツインズビーチとして知られる塩樽海水浴場と小水浜海水浴場の間にある、石を組み上げて作った防波堤の一部が突然、撤去されていたことが地域住民からの情報でわかった。市と壱岐振興局は「平成29年度、地域の2公民館と1協議会から防波堤撤去の要望を受け、今年5月に同様の内容で2度目の要望を受けた」という。一方で一部の周辺住民からは「工事の事前説明がなかった。工事後の景観も中途半端な状態にある」という。要望から工事着工までの短期間工程にも疑問があがっている。
防波堤は数十年以上前に、小水浜海水浴場への高波の影響を緩和するなどの理由で設置された。ところが、防波堤によって複雑に流れ込む波により、過去に海難事故が数回発生し、その都度、遊泳禁止エリアへの侵入禁止を呼びかけて安全対策を心がけてきた。結果的に防波堤の設置は、遊泳エリア内で楽しむ海水浴客の安全に寄与してきた。
平成29年度、郷ノ浦町渡良の栗岳公民館と牧前公民館、同町宿泊活性化協議会から、海水浴客に対しての景観や、防波堤付近に砂がたまることなどを理由に防波堤の一部撤去を求める要望があった。市観光課の説明では、同年に要望書を壱岐振興局に伝え、防波堤の陸側の約2㍍分が撤去された。
市は、同2公民館と同1協議会から改めて5月下旬ごろに再要望があったことを公表した。要望書には前回同様、防波堤の一部撤去とたまった砂の対策が記されていたという。市は5月下旬に受け取った要望を壱岐振興局に伝え、6月上旬には一部撤去工事が完了。撤去した石は防波堤の沖側にそのまま放置された。この工事により、小水浜の砂浜側から見て防波堤左は沖までの出口が広がった。
同工事について否の意を示す一部周辺住民は、「2公民館と1協議会からの要望だというが、地域住民との事前協議はできていたのか」「たまる砂の対策だというが、防波堤の一部撤去だけで工事費分の効果があるのか」「誰のため、何のための工事なのかはっきりしない」などを訴えている。