2018.6.04今後の無人航空機実証試験に空港使用の受入れ拒否を要請
今後の無人航空機実証試験に空港使用の受入れ拒否を要請
県平和運動センター(長崎市)
先月10日から始まったアメリカの軍事系航空会社ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(以下GA―ASI社)製造の、無人航空機ガーディアンによる壱岐空港を活用した実証試験は、先月24日に終わった。
今回の実証実験に先立ち、県平和運動センター(長崎市)の松田圭治議長と平野忠司事務局長は4月25日に「軍事に直結する可能性があり、懸念を抱くもの」などとして、空港管理者の権限を持つ県に対し、壱岐空港の使用を認めないよう要請をしている。しかし県は「壱岐空港の使用は壱岐市の意向がある」と回答し、要請は受け入れられなかった。
実証試験終了後の先月29日、松田議長と平野事務局長は壱岐市に対して「壱岐空港での大型無人航空機の実証試験の受入れ拒否」の要請をした。平野事務局長は「今回の3週間に及ぶ実証試験は一応終了となっている。しかし今後、再度無人航空機の実証試験が行われるならば、壱岐市として断固、空港の使用拒否をしてもらいたい」と訴えた。
使用拒否を要請する理由として、
▽有人機さえも頻繁に墜落事故が発生する昨今、無人機の安全航行には不安がある
▽当該実証実験は、平和利用を目的としていると説明されているが、当該技術は、防衛省・自衛隊が2016年8月に公表した「将来無人装備に関する研究開発ビジョン~航空無人機を中心に~」において獲得しようとしている技術に合致しており、軍事に直結する可能性を否定できない
▽実証実験を手掛けるGA―ASI社は、無人の軍事用偵察機・攻撃機製作を社業としており、民生用を旨とする県営空港の使用には不適である」の3点をあげた。
要請を受けた中原副市長は「我々が決めることではない。現在は実証試験を終えたばかりでその後の計画は何もない」と答え、「当初から壱岐空港周辺の6公民館と石田漁協には平和利用であることを説明し、承諾を得ている。また平成29年1月から現在まで、市議会でも3回説明をした」と返答した。
松田議長と平野事務局長が「GA―ASI社は軍事関連の部門を持つ会社だ。本当に安心していいのか」と問うと、中原副市長は「軍事であれば誘致しない。市民にも説明するまでもない。あくまでも平和利用のため」と繰り返した。
松田議長の「もしも次の実証試験の話があった場合は、拒否をお願いしたい」との申し入れに対し、中原副市長は「何も計画がないものには答えようがない」と返答した。