2026.3.24離島航路守る船員確保を

 またしても、九州郵船が運航する航路に市民にとって手痛い変更が行われることになった。

 九州郵船は6日、博多―壱岐―対馬航路などの4月以降の配船計画を公表し、深刻な船員不足の影響で高速船ジェットフォイルを2隻体制から1隻体制に縮小すると発表した。来月1日から6月30日までの3か月間、臨時配船として運航する。

 同社によると、船員不足や就労時間への配慮から、春から夏の繁忙期に予定していたフェリーの臨時便やジェットフォイルの季節増便を見送る方針だったが、その後さらに船員不足が深刻化し、2隻体制を維持できなくなったという。フェリーについては博多航路、唐津航路とも当初計画どおりの運航が可能とされる。

 振り返れば、フェリー「ちくし」も発電機の不具合と船員不足により、長期間運航できない状態が続いた。部品調達の遅れはやむを得ない事情があるにしても、船員不足については市民としてやりきれない思いを抱く人も少なくないだろう。

 かつて本市と博多港を結ぶ主役はフェリーであり、以前運行していたシーエースやホバークラフトなどの高速船は補完的な存在だった。しかし現在は高速船ジェットフォイルが航路利用の中心となり、2隻体制が定着してきた。今回の縮小は市民生活や観光への影響も懸念される。

 一方、フェリーは現在、旅客輸送だけでなく生活物資を運ぶ物流の要としての役割を担っている。離島航路はまさに地域の命綱であり、その安定運航は地域社会の存続にも関わる問題だ。

 船員確保に向け同社は募集を進めているが、解消の見通しは立っていないという。船員不足は本市だけでなく全国の離島航路が抱える共通の課題でもある。

 島根県隠岐の島町では、海運会社で働く「地域おこし協力隊員」を募集することで船員確保を図っている。制度を活用すれば報酬や活動経費の多くが国から支出され、事業者の負担軽減にもつながる。こうした発想は参考になるのではないか。

 離島航路の維持を事業者任せにしてよいのだろうか。地域の暮らしを支える基盤として、行政も船員確保への支援策や新たな仕組みづくりを検討すべき時期に来ている。壱岐の命綱を守るため、今こそ知恵を集める必要がある。