2026.2.10離島の将来を託す選挙だ

 衆院選と知事選の投開票日が迫る中、各候補者が相次いで本市を訪れ、街頭や出陣式で政策を訴えた。今回の選挙は、県政・国政ともに構図が単純ではなく、本市の将来をどのように位置づけているのか、候補者ごとの姿勢がより問われる選挙と言える。

 知事選では、現職と新人、さらに若い世代の挑戦者が加わり三つどもえの様相を呈している。離島振興を共通して掲げながらも、アプローチには違いがある。現職の大石賢吾氏は、これまでの実績を前面に出し、ジェットフォイルや国境離島新法など、継続性を重視した県政運営を訴える。本市に何度も足を運んできた事実は、市民にとって安心材料の一つであり、「現場を知る」姿勢が評価されてきたのも事実だ。

 一方、新人の平田けん氏は、国と県の行政経験を強みに、制度設計そのものを動かせる実務力を強調する。本市を「成長の可能性を持つ島」と位置づけ、医療や交通、国境離島政策の積み残し課題に正面から取り組む姿勢を示した。経験をどう島の現実に落とし込めるかが、今後の判断材料となろう。

 共産党のつつい涼介氏は、暮らしと若者に焦点を当て、賃金や交通といった生活に直結する課題を前面に押し出す。公共交通の弱さや若者流出は本市にとっても深刻であり、現場の困難を率直に言葉にする姿勢は、市民に別の選択肢と視点を提示している。

 国政選挙でも、本市への視線は重要だ。山田勝彦氏は、離島航路や水産業を「国の責任」と位置付け、財政の使い道そのものに切り込む。髙木さとこ氏は、教育と子育ての現場から、少子化の根本原因に問題提起し、島の未来を担う世代への投資を訴える。加藤竜祥氏は、国境離島を守る視点から、安全保障やインフラ整備を含めた政策展開を強調する。

 本市に必要なのは、補助金や制度を「受け取る側」としての姿勢にとどまらず、島の将来像を主体的に描き、それを実現できる政治とどう向き合うかという視点だ。人口減少、産業の担い手不足、医療や交通の不安は、いずれも待ったなしの課題である。

 今回の選挙は、単なる人物選びではない。候補者が本市や離島をどう見ているのか、短期的な支援だけでなく、10年後、20年後の島の姿をどこまで具体的に語っているのかが問われている。選挙期間中の言葉だけでなく、これまでの行動や実績にも目を向ける必要がある。言うまでもないが、当選後の実行力も注視せねばならない。

 市民一人ひとりが、その言葉の重みと実行力を見極め、本市の未来を託す選択としての一票を投じたい。