2025.6.24野球の政治利用ではないか
市議会6月会議一般質問で、ある議員の一般質問が議員にあるまじき発言だったので注意を促す。一般質問で発言する議員に与えられた持ち時間は50分だ。そのうち市政運営などに関する質問とは全く違う内容の発言を約10分間、その議員は語った。内容は、壱岐高野球部の甲子園についてだが、市議選1か月前のこの時期、「高校野球の政治利用」と疑われても致し方ないと思える発言だった。
通常、一般質問とは「議員が市の施策の状況や将来の方針などについて、市長などの執行機関に質問したり、説明を求めることを指し、議員が事前に通告した要旨に基づく」とされている。要するに、市政運営に関することを問う場であり、個人的な話や、自身の政治利用のための場ではない。
本市の市議会の場合、一般質問登壇の持ち時間は一議員50分と決められている。その中で、質問と市長や執行部からの答弁、再質問とそれに対する答弁を行う。
特に市議会本会議などは市民にも公開されるため、より一層、議員としての働きを見せる機会にもなる。言わずもがな、議員の報酬は税金から支払われるもの。こう言っては何だが、約10分間の質問外発言は、税金の個人利用になりはしないか。
次期市議選に出馬の意向を示すならば、現職はより慎重な発言を心がけなければ、新人、他候補者との公平性は保たれない。自身だけが好印象を残し、注目されればそれでいいのか。利己主義に走ってはいないか。
壱岐高甲子園の感動を伝えたい気持ちはわかるが、語る場を間違っている。市議会本会議は、市ケーブルテレビやラジオで放送され、広く市民に行き渡る。その意味でも質問外の発言は、適切ではなかったと言わざるを得ない。
質疑の持ち時間利用で思い出されるのが、本県から選出していた谷川弥一元衆議員議員だ。国会で、自身の発言の持ち時間が余ったからと、国政に関係のない般若心経を語り始めた。不適切な発言は当然、世間の批判を浴び、マスコミに叩かれた。
今回の場合、事前に原稿を用意していたことから、確信的な発言だった。その意味で、谷川氏よりもタチが悪いとも言える。なぜ、議長は発言の停止をしなかったのか。議会事務局は何らかの対応をしないのか。
市議選は1か月後。公平公正な選挙にするため、候補者は最低限のルールとマナーを守らねば、何でもありの選挙、市議会になりかねない。