2024.1.24若さよりも志こそ必要
次期市長選投開票日の4月14日に向けて、各候補予定者の動きが活発になってきた。現在、昨年10月1日に出馬表明した篠原一生さん、同年12月2日に表明した出口威智郎さんの2人が公式な会見を開いた。両名は元市職員の肩書を持ち、退職時まで白川市政のもとで働き続けた。年齢もともに40代、若き世代の予定者だ。
公式な表明会見は行われていないが、新たな予定者の動きも見える。勝本町湯本浦の「湯本きばろう会」は15日、勝本支所湯本事務所で市長選出馬予定者政策発表会を開いた。篠原、出口予定者とともに、2016年4月の市長選に出馬した坂本和久さんの姿があった。市民からの情報で、坂本さんが市内各所であいさつ回りをしている情報はつかんではいた。討論会出席が、実質的な出馬の意向と受け止めていいだろう。
森俊介さんの動向も気になる。森さんは2020年の前回市長選に出馬し、白川市長と一騎打ちの末、わずか329票差までせめぎ合った。その後、2021年8月、市議会議員選挙に出馬し、21候補の中からトップ当選を果たし市議となった。しかし15日、自らの判断で議員辞職を決め辞任した。今後(16日時点)、出馬表明するかの動向に注視したい。
そして同日に開かれる市議会議員補欠選挙にも注目だ。現在、鵜瀬和博県議が県議選出馬のために辞任したことで議席1席、森さんの辞職で1席、計2席の欠員となり、市議補選は、全出馬者からこの2席を争うことになる。現時点でも複数の候補予定者の姿があり、今月末あたりから各予定者の動きが表面化してくるのかもしれない。
選挙で最も重要なことの一つとして、投票率が挙げられる。過去の選挙は次の通りだ。▽2004年市長選89・15㌫▽2005年市議選88・66㌫▽2008年市長選85・37㌫▽2009年市議選83・77㌫と軒並み80㌫超えだった。しかし、2016年市長選79・16㌫▽2017年市議選77・22㌫▽2020年市長選67・04㌫▽2021年市議選75・41㌫。近年の選挙はコロナ禍の影響があったとはいえ、投票率は低下している。次期選挙は市民の関心を集め、投票率向上につながることに期待したい。
次期選挙は候補者の若さが一つの話題にあるが、筆者の持論を述べたい。政治家は若さが武器なのか、そうではない。年齢に関係なく何ができてどんな志があるのか。若くパワフルで機転が効いても、強い志がなければ市民のための政策はできない。本市は高齢者の島だ。ある場面では50、60代でさえも若手と言われる時がある。若い政治家が高齢者の本当の苦悩や要望をどこまで理解できるのか。本市の選挙で若さは武器ではない。志こそ大きな武器だということだ。
新市政に向け新たな時代が動き始めた感がある2024年の幕開け。市長選、市議補選ともに純粋に壱岐のことを思う気持ちを第一に抱いて全力で戦ってもらいたい。そのため、市民は冷静な目と耳を持ち、正確な判断ができるよう願いたい。