2024.11.11県推薦校に選出、夢と希望で待つ
最近の本市では、行く先々で壱岐高野球部と甲子園への可能性が話題に上がる。県大会準優勝、九州大会ベスト8入りと、大健闘ぶりを見せた。監督や選手らも試合後、21世紀枠による春の甲子園への切符の期待を語り、市民も同様に大きな期待を寄せる。もしも甲子園出場が決まった場合、本市初の快挙となり島は大いに活気付くことだろう。
本紙にも市民から21世紀枠の可能性を問われるが、なんとも答えようがない。県推薦には選ばれたが、21世紀枠に選ばれるにはさまざまな条件や甲子園に見合う実績も必要になる。現時点の壱岐高はどれくらいの可能性があるのかをネット情報をベースに調べた。
21世紀枠とは、第73回大会(2001年)に導入された「ハンデを乗り越えて奮闘した学校」に甲子園への切符が与えられる制度だ。「甲子園にあと一歩届かないチーム」に大舞台を経験させることで、高校野球のレベルアップを図ろうという意図から始まったそうだ。
春の選抜高校野球大会は、日本高校野球連盟や主催の毎日新聞社が委託する選考委員会の判断によって選出される招待試合であり、21世紀枠の選考は、過去の実績が反映される。一方で、夏の全国高校野球選手権大会は、各都道府県大会で優勝した1校が代表校として甲子園に出場する勝ち残りで決まる。
出場校32校が選ばれる春の甲子園の出場枠には、秋季大会の結果をもとに、地域性を考慮して選出する一般選考枠に29校。秋季大会の優勝校として明治神宮大会枠1校。そして21世紀枠が2校。昨年までは3校の推薦だったが、今年の大会から21世紀枠は2校になった。より厳しくなるが、この枠に入ることができれば、甲子園出場が叶う。
21世紀枠推薦校の条件には、「129校以上の都道府県ではベスト32以上。それ以外の県ではベスト16以上と、秋季地方大会で上位の成績を収めていること。高校野球の模範となるような高校であること」とある。そして「部員不足や自然災害などの困難克服、地域貢献などを加味して出場校として選考」とある。今回の壱岐高野球部の実績で言えば、ほぼ条件をクリアしているように思える。
選考にはまず、各都道府県連盟による1校推薦があり、東日本・西日本から各1枠が推薦される。最終選考会では、最終候補校のプレゼンテーションという手順を踏んで、高校野球の模範的な姿を実践している高校が選ばれるようだ。近年は「話題性+戦力」で選ぶ傾向が強まっているともいう。
壱岐高の場合、離島というハンデの中で勝ち進み、話題性は高い。ただ戦力で見た場合、九州大会準々決勝で7回コールド負けを喫している。この実績を選考委員会はどう判断するのか。県大会や地方大会を勝ち上がってきた多くの強豪校との実力差は、甲子園の課題にもなっている。現時点で可能性は五分と聞く。来年1月には21世紀枠の選考が決まる。夢と希望を持ってその時を待ちたい。