2022.10.25実現性ある要望内容を
白川博一市長と豊坂敏文市議会議長、鵜瀬和博県議会議員は12日、長崎市の県庁で大石賢吾知事に対し、10項目の要望書を提出した。今回も1項目には壱岐空港の滑走路延長が盛り込まれていた。今年新たに就任した大石知事に対しても、中村法道前知事に手渡した要望書と同様の内容のものだった。
要望書に盛り込まれる空港滑走路延長案は2016年から始まり、県知事へは今回で7回目の要望になる。これまで同案に対して知事がどのような回答を示したか、再度確認した。
これまでに中村前知事が述べた回答は次の通りだ。
▽2017年「空港整備には莫大な費用がかかる。費用対効果を考えた場合、現状で滑走路延長は難しい」
▽2018年「離島空港のあり方として、どのような機種に限らず滑走路を延長するんだという時代ではない。必要性の検証と調査など、さまざまな事項から必要不可欠となったうえでのこと。費用対効果も徹底分析をしないと相当額の投資になる。各離島でこのくらいのものがほしいと要求するのは、通用しない時代になっていることを理解願いたい」
▽2019年「空港整備は巨額の費用がかかる。国の支援も必要不可欠だ。国が定めた採択条件である具体的な就航の見込みが必要。現時点での調査費の確保は非常に難しい」
▽2020年、2021年は要望書に同案が盛り込まれてはいるものの、前知事との意見交換はなかった。
そして、中村県政から大石県政に変わった今回、改めて白川市長は同案を説明し、意見交換を求めた。しかし、大石知事もこれまでの回答をなぞるかのように「莫大な費用が必要で国の支援が不可欠。国の採択条件が見込めるのか、非常に難しい状況ではないかと考える」と難色を示した。
これまで市は、再三にわたり同案の要望を繰り返してはいるが、一向に良い回答を得られていない。年に一度しかない県へ直接要望ができる機会であり、毎年同じ内容を提出し、無意味にも思える問答を繰り返すのではなく、県と知事の考えを動かすような知恵を絞って挑むべきだ。要望が無理か可能かの検証もせねば、知事や県職員もあきれ返りはしないか。実現性よりも県庁に出向き、要望書を手渡すことだけに満足しているようにしか思えない。