2025.2.18子どもたちに希望を見せられる施策を

 来年度に向け時代に合った、より良い子育て支援や環境づくりに更新するための次期「市こども計画」案が決定した。本市を含め、全国的に少子高齢化と人口減少が加速度的に進行し、学校においても不登校やいじめ、貧困による子育ての負担感の増加など、深刻かつ複雑な問題が多様化している。このため、子育てにおける社会全体の重要度は高まり、支援の必要性は特に重要だ。

 市子ども子育て会議は10日、最終会議を開き同計画案の内容を確認した後に承認、12日に篠原一生市長へ答申した。同会議は「子どもが考え、実践していくための母体となる協議にしたいと考え進めてきた」とし、子どもが主体であることを強調した。

 同計画は、基本目標として「市のすべての子どもが持つ権利の保障」「妊娠から子育てまでの切れ目ない支援体制の充実」「子どもの成長段階に応じた支援の充実」「子どもや子育て家庭に対する専門的支援の充実」「子ども・若者が希望を持って生きていくための支援の充実」の5つを掲げている。

 市は、5つの基本目標を簡潔にまとめた同計画「こども版」を作成し、先月27日から4日までの期間、小学5年から高校3年までの児童生徒に意見を求めるアンケートを実施している。

 5つの基本目標の中で重要だと思うものについては、「子ども・若者が希望を持って生きていくための支援の充実」がもっとも多く、次に「市のすべての子どもが持つ権利の保障」だった。子どもながらに本市に対しての閉塞感や将来の不安感が現れていると予想できる。

 「こども版」を見て感じたことは、小学生の主な意見では「人口が増えてほしい」「親の支援を充実してほしい」「一つでいいから達成してもらいたい」「なぜ赤ちゃんが増えないのか」「子どもの意見を無視している気がする。大人が真ん中に感じる」など。他には遊ぶ場や施設充実などがあった。

 中高生の主な意見では「快適に学べる学校に」「大学卒業後、本市での就職につながる支援やサービスを。それが人口減少の改善になる」「人口減で本市が危ないと知った」「具体的な対策がなく現実味が感じられない」「実行に移すまでがんばってもらいたい」など。

 両アンケートに共通した意見で、小学生は「本市にそのようなことができるのか。してもらえるのか」「良いことが書いているが、実行するのか」。中高生も「本当にできるのか。そう言ってできたことはない」など辛辣な思いを書いている。

 大人が言うならまだしも、子どもたちにもあきらめ感があることがわかる。子は親の背を見て育つという。これらの意見を指針に、希望と期待感が持てる背を見せていかねばならない。