2026.3.09人口減少にどう立ち向かう

 本市が抱える最大の課題は人口減少である。先々週から、高齢者医療や介護、健康保険に関する複数の会合を取材で傍聴したが、マンパワー不足や保険料収入の伸び悩みなど、いずれの場でも少子化の影響が色濃く表れていることを実感した。

 本市は昨年から2029年までの第4次総合計画で「一緒に前へ、壱岐新時代へ。」を掲げ、転出抑制と転入促進(U・Iターン)を強化し、2050年に人口2万人を維持する目標を打ち出した。若者の流出防止、子育て環境の充実、Uターン促進、観光や農水産業など地場産業の強化を通じ、持続可能な地域社会の構築を目指すとしている。

 では現状はどうか。市が公表している住民基本台帳によると、昨年1月末の人口は2万3680人。今年1月末は2万3172人で、1年間で508人減少した。さらに一昨年1月末は2万4319人であり、2年間で1147人減。わずか2年で千人以上が減少している。10年前の2016年同月は2万7961人で、今年との比較では4789人減。この10年間で約5千人が減った計算になる。

 以前から年間約500人の減少と言われてきたが、データはその現実を裏付けている。確実に、そして着実に人口減少が進んでいる。

 先月26日、篠原一生市長の定例記者会見があった。この席で記者は「各協議会や委員会では人口減少による運営の弊害が指摘されている。2050年人口2万人の達成可能性をどう見るか」と問うた。

 市長は「高い目標であることは認識している。AI(人工知能)を活用し、本市の将来を2万通りシミュレーションし分析している。その中には達成が見込めるケースもある。今月末には公表できる見通しだ」と答えた。可能性が全くないというわけではない。

 しかし現状は、年間約500人減の流れにある。このまま推移すれば、10年後に1万7千人台も想定される。そうなれば、市内経済はもちろん、福祉や医療を含め、生活基盤そのものの維持が難しくなる恐れがある。

 2050年2万人という目標は、大胆であると同時に重い。いつ、どの時点で減少に歯止めをかけるのか。市政の取り組みを注視するとともに、私たち市民もまた当事者として覚悟を持つ必要がある。