2025.2.24なぜこの時期に、何のための開催か

 15日に長崎市の出島メッセで開いた「参議院議員 山本啓介政経セミナー」と、同日にホテルニュー長崎を会場にした「前内閣総理大臣岸田文雄先生との懇親会」の開催について、島外県民からの問い合わせや意見が相次いだ。

 寄せられた情報では「セミナーには2万円、懇親会は1万5千円のチケット販売で計3万5千円。すでに千枚販売済みで、計3500万円のチケット代が動いているようだ」との指摘だった。また、「セミナー会場の出島メッセは長崎市の管理であり、このようなセミナー開催を市が許しているのか」など。当紙に向けては「山本参議は壱岐市の地元選出だ。なぜ、地元新聞は何も報じない?」と厳しい意見もあった。

 今回のセミナーと懇親会開催の情報は当初、当紙記者も知らなかった。ホームページなどを確認するも、非公式なのか公の告知は見当たらなかった。念のためにインターネット上で調べたところ、いくつかの情報に行き着いた。また、4日の長崎新聞の記事にもあった。記事には「政治資金集めのパーティは政治資金規正法で認められているが、党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で東京地検特捜部が本県選出の衆院議員らを立件した昨年1月以降、本県選出の国会議員がパーティを開くのは初とみられる」とある。また、県内の政治資金パーティを巡っては、自民県連が昨年3月に開催予定だったが、事件を受け「有権者の理解を得られない」などとして中止したという。

 入手した開催案内の書面には「この催しは、政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティです」の記載があり、法には抵触しないという。しかし、政治と金の問題は自民党派閥の政治資金パーティの裏金問題に端を発する。今回の開催を知った国民感情はいかほどなのか。

 当紙に届いた意見も厳しいながらも的を射るものだった。「政治資金パーティではないというならば、なぜ非公式の開催にしたのか。法に抵触しないと言いながら、どう考えても政治資金パーティではないのか。国民が政治と金に敏感になっているこの時期に、なぜ開催したのか」。

 当紙の取材に対し、山本参議は「自分は基盤も何もない離島から国政の場にいかせてもらった。税金からいただく給与もあるが、離島を含め多くの地へ足を運ばなければならない。さまざまな経費はどうしてもかかる。議員としてやると決めたことをやるため、決められたルールの中で行った」と答えた。

 これまで見続けてきて山本参議の人間性はよくわかる。しかし、今回の政治資金パーティは市民、県民、国民の理解を得られるのだろうか、再び寄せられる意見を待ちたい。