2022.10.11重要な情報こそ正確に

 前号1面の記事で、県こども未来課担当者から「内容に間違いがある」として、当紙に対してクレームが届いた。まずは事実を記す。同園の建設地補助金申請の取り下げはなく、現在は事業延期の決定が正しい。しかし、腑に落ちない部分があり、追及することにした。

 同園事業者の北串会からの事業の延期決定発表に対し、経緯やその後の計画などを問うため先月22日、同課へ取材を行なった。回答は次のように掲載した。「同会から現在の建設予定地に対する補助金申請の取り下げがあった。今後、建設予定地を変更するかの確認はない」。同様の件で市は「取り下げの確認はない」とのみ答えたことを記した。この矛盾に対して当紙は「県と市で認識の違いから、短期間で建設計画の変動が起きている可能性も考えられる」と見解をまとめた。

 前号発行日の先月30日、同課担当者から当紙へ電話があり「掲載の記事にあるような申請の取り下げはない。電話対応した該当者もいない。取材は受けていない」という。これに対して当紙記者は「そんなはずはない。同課には先月22日に2度、電話をした履歴がある。うち1件の会話は約4分間の会話だった」と反論した。無論、履歴の正確な時間も提示した。

 記者が問うた内容は次になる。「北串会は事業延期を発表した。一方で事業取り下げの噂も聞く。取り下げは事実なのか。どういうことが起きているのか」。同課担当者は「現予定地の補助金申請の取り下げだ。その後の計画などはわからない。詳細は市の方が詳しいはず。そちらに聞いてくれ」というものだった。間違いなく「取り下げ」と答えた同課に対し、理不尽なクレームに抗議した。

 結果として、県は取材の電話発着信履歴を確認し、電話で応対した職員へ聞き取りをしたようだ。しかし、この無責任さは何か。県に対し「壱岐は今、同園計画の署名活動など市民を巻き込む事態だ。市民は神経質になっている。県職員ならばきちんとした仕事をしてもらいたい」と強い口調で指摘した。

 行政からの情報は正確でなければならない。言葉一つで大混乱を招く。しかし、今回の一件について行政側のうろたえぶりは何なのか。行政内部でも混乱が起き、神経質になっているのではないかと推測する。