2025.3.25議論にすらならない質疑応答
市議会2月会議の11日、予算特別委員会で総額252億2千万円の来年度当初予算が賛成多数で可決した。補正予算審議とともに午前10時から午後6時半までに及ぶ長丁場の審議だった。その中で、今後の東京事務所のあり方について気になる議論があった。
質疑したのは植村圭司議員。「東京事務所の成果や活動内容がいまいちわからない。予算の全体額3128万9千円のうち、職員の旅費や事務所賃貸料が7割を占める。わざわざ東京に出向く必要性に疑問がある」と意見した。
一緒に推進課長は「観光消費額や企業版ふるさと納税など順調に推移している。エンゲージメントパートナー協定も増え、関係人口創出につながる」とし、「東京事務所が果たす役割や効果は大きい」という。
対して植村議員は「市や市長は東京事務所の成果を言うが、我々議会や市民にはその成果が見えない。効果はあると言われても、じゃあ何をやっているのかとの質問になる。税金を使った仕事は市民に報告すべきではないか」と問うた。
篠原一生市長は「東京事務所は観光や物産などを展開する東京の窓口。東京でPRすることはあるが、市民へ東京事務所をPRする必要性がわからない」という。この答弁に対し植村議員は「市民へのPRではなく、活動報告をすべきだと言っている。市としても知ってもらう必要があるのではないか」と再度問うた。篠原市長は「市民への報告は、今回の質問にあるようにこの議場ではないだろうか。この場で問われれば答える」と答弁した。
一連のやり取りには強い違和感を覚える。質疑は至ってシンプルで「活動が見えない。よって見えるようにしてくれ。税金である以上、市民にはその権利がある」だ。これに対し篠原市長は「市民へPRをする必要性がわからない」と答えた。まったく議論が噛み合っていない。
最大の違和感は、篠原市長の「問われれば議場で報告する」の発言だ。問われたから議場で報告すべきものなのか。問われる以前に、自ら率先して報告すべきが行政ではないか。東京事務所の存在意義は、前市政のころから意見があった。市職員当時、東京事務所長だった篠原市長ならば、そのような市民の声は届いているはずだ。
質疑の真意を理解し、きちんと向き合った話し合いでなければ、正しい議論にはならない。長丁場だった今回の予算特別委員会だが、中身がある質疑応答はいくほどもなく、時間だけを費やした印象だ。