2021.7.20続く投票率低下が一つの懸念
8月1日に投開票となる市議会議員選挙が俄然、盛り上がってきた。当初、今回の市議選は現職14人の出馬に対して新人候補は少なく、それほどの激戦は起きないものと考えられていた。しかし、今からわずか1か月半ほど前、市民団体による白川市長へのリコール署名活動が起き、リコールは不成立。6603人の署名数に示された民意の矛をどう収めるのかに注目された。
その結果のひとつが市議選の新人候補予定者数に表われた。当初の予想から一転し、新人候補予定者7人と現職14人の計21人出馬が予定されている。定数は16人なので、この中から確実に5人は落選することになる。それが現職からなのか、新人候補からなのか。
少なくとも市民からは、市政や議員の刷新を求める声が上がっていることから、現職候補に余裕があろうはずはない。一方で、新人候補予定者も明確な政治理念や本市の将来像を伝えきれなければ、票を獲得することはままならない。票の行方は投開票日にならないとわからない。3週間後に行われる選挙ですべてが決する。
気になるのは投票率がどうなるのかだ。4町合併以降から市議選、市長選ともに投票率は下がり続けている。2004(平成16)年からの投票率を並べてみた。
▽2004(平成16)年4月18日市長選89・15㌫▽2005(平成17)年8月7日市議選88・66㌫▽2008(平成20)年4月13日市長選85・37㌫▽2009(平成21)年8月2日市議選83・77㌫▽2012(平成24)年4月15日市長選81・85㌫▽2013(平成25)年7月21日市議選82・24㌫▽2016(平成28)年4月10日市長選79・16㌫▽2017(平成29)年7月30日市議選77・22㌫▽2020(令和2)年4月12日市長選67・07㌫、市議補選67・04㌫。
昨年4月の市長選では、市内に新型コロナ感染が確認されたことから例外的に低い投票率となったが、全体を通して見ても下がり続けているのは否めない。市議選も同様で、16年前と前回の選挙とでは実に約20㌫も下がっている。選挙は民意を反映させる最大の方法であり、各自が一票を投じることでその民意が反映され、正常かつ発展的な市議会となる。それがより良い市政にもつながることは言うまでもない。
地方のみならず国政も年々の投票率低下が懸念されている。主な要因は「政治への関心の低下」「若者の選挙離れ」とされる。しかし、本市の場合は2か月前のリコール運動を経て、市議選では若い世代の出馬予定があるなど、今の壱岐にこの2つの要因は当てはまらないのではないかと思いたい。毎回続く投票率低下にブレーキをかけ、今こそ市民の力で市の活性につなげよう。