2025.2.11次世代にバトンを託す時期だ

 谷川弥一前衆院議員が先月27日に来島、自民党壱岐支部(代表発起人、中原康壽支部長)は郷ノ浦町のビューホテル壱岐で「新春 谷川先生感謝の集い」を開催し、約50人の市内自民党関係者が集まった。谷川氏は2003年11月から昨年1月まで7期にわたり政界で議員職を担ったが、昨年、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、政治資金規正法違反の罪で罰金と公民権停止の略式命令を受け、有罪となったことから議員辞職した。

 谷川氏と本市のつながりは深い。特に国境離島新法(有人国境離島法)の制定では、白川博一前市長や市国境離島新法民間会議の場でも繰り返し「新法の制定は、谷川先生の尽力のたまもの。我々は感謝しかない」などの賛辞が述べられてきた。このことから、谷川氏の功績をたたえるための集いが行われたと推測する。取材から、会には自民党壱岐支部メンバーや自民党系の市議、山本啓介参議事務所秘書、鵜瀬和博県議、宅島寿一県議、白川前市長、篠原一生市長などが出席したことからもうかがい知れる。

 谷川氏は現在、公人ではなく私人であり、また、自民党壱岐支部主催の席のために当日の報道取材は行われなかったが、関係者などへの聞き取りにより一部の内容はわかった。

 白川前市長は「有人国境離島法制定やジェットフォイル新船建造など、谷川先生の働きを忘れないでほしい」などと述べている。同法は、いわば谷川新法とも言われる。これまでの市の説明でも、谷川氏とともに国へ働きかけ実現できたと説明している。航路航空路運賃低廉、輸送コスト低廉、滞在型観光の推進、雇用機会拡充など、離島の問題を大きく改善した。

 篠原市長も白川前市長と同様に長年にわたる多大な支援と尽力に感謝の意を示し、「同法制定は島民の悲願、現在も大きな恩恵を受けている。引き続き力を貸してもらいたい」と述べたようだ。

 他の参加者からの言葉にも「本市の発展と振興に多大に尽力いただいた。我々市民は感謝しかない」と伝え、2年後の有人国境離島法の更新に向け、「さらに尽力賜りたい」と谷川氏に対し期待の言葉が添えられた。

 世話になった人への感謝を示すことは、人として当たり前の行為であり、その意味では有意義な集いであったろう。しかし、あえて本音を言わせてもらえば「もういいではないか」とも思う。この先の市政や県政は、市民や県民から選ばれた人たちで構築していくことが必要だ。まがりなりにも谷川氏は昨年から今も、全国を騒がせている政治資金規正法違反に触れる行為をしてしまった。いつまでも影響力を残したまま、市のさらなる依存は世の流れにも反することになろう。

 谷川氏を絶賛する一つに有人国境離島法があるが、これも他国会議員や多くの人が関わってのもの。決して一人の議員の働きのみでは達成はできない。

 また、ジェットフォイル新船も多くの関わりの中から実現に至った。本県から選出の山田勝彦衆議院議員(立憲民主党)の働きも高い。昨年8月にジェットフォイル更新スケジュールが示される以前の同年2月、国会予算委員会で国土交通大臣に対し、離島の足として必要だと訴え「すでに建造から30年以上が経過し老朽化は大きな問題。しかし、高額な建造費で更新できないのが現状。島民は不安を抱えている。政府はどう対応するのか。1日でも早いスケジュールを示すべきだ」と意見している。

 本市など離島民が生活する上での利便性向上や国が示す施策は、谷川氏や自民党のみの力ではないこと。多くの関係者や他党など、さまざまな人たちの努力によって進められ、多くの力の結集があればこそ今がある。白川前市長の言葉を引用すれば「(多くの人たちの)働きも忘れないでほしい」。

 大きく時代の変革を見せている現在。これからより良い社会を実現するには、ひたすら前を見て歩むほかはないだろう。