2019.5.07本市は一貫した「反対」の考え
玄海原発訴訟の原告弁護団が、佐賀県の20自治体と福岡県と本県の30㌔圏内5自治体に対してアンケートを実施し、その結果を公開した。回答には本市も含まれている。
質問の1つ目は、玄海原発再稼働について。本市の回答は「玄海原発再稼働反対は市民の総意」と明言。また、松浦市など県内他自治体もほぼ同意見。一方で、佐賀県30㌔圏内自治体は「安全性の確認を前提とし、国や事業者の責任で行う」が多い。
この結果が意味することとして、弁護団は「過酷事故の際に、被害を受ける自治体であるにも関わらず、長崎県は一切の手続きから排除されていることの表れ」と分析している。手続き等の排除とは、稼働の賛否を示す同意権が与えられなかったという意味だ。同意権は玄海町など佐賀県の一部周辺のみしかない。
避難の不十分さについての質問では、本市は「不十分」とする。この回答については、他自治体も同様の見解が大半を占めるが、立地自治体の玄海町のみが「事故や避難が起きないよう安全対策が実施されている。万が一の場合の避難計画策定もあり、どちらとも言えない」と異例の回答だった。
次の質問の、避難経路の確保では、30㌔圏内自治体のほとんどが「避難道路が狭いなどで整備が必要」と答え、現状の道路では十分な機能を果たさないとした。本市も同意見で、国や県へ「インフラ整備等を要望している」と答えている。
稼働賛否の判断を示す同意権の拡大についての質問では、松浦市や伊万里市などは拡大すべきとする。30㌔圏外自治体からも反対とする回答はない。本市の場合は「同意の範囲は国が示すべき」とし、国へ判断を委ねる回答をしている。
「中間貯蔵施設や最終処分場の候補地になる可能性を想定しているか」で、本市は「想定していない」とする。候補地としてあげられた場合の対応では「住民の安全安心な生活に逆行するため反対」と明確な意思を示す。
本市は一貫して、原発稼働には厳しい姿勢である。あとは言葉と行動が一致していることを確認していきたい。(大野英治)