2023.11.07再び議員定数の適正化を提案する

 議員定数削減案について市民から投書が届き一読したが、賛同することが多いにあり記者からも考えを述べたいと思う。

 現市議会は本来であれば定数16人のところ、先の県議補選以降より15人の議員で運営している。議員欠席の場合も時折あり、その場合は14人で運営していることになる。これまでの市議会運営を見続けている記者からは、14人体制でも十分に機能するのではないかと考え、現実的に見て現15人体制でも仕事量に余裕があるように思える。無論、各議員の活動によって差はあろうが、平均的な見方からすれば余裕のはずだ。

 民間企業や役所務めの職員とは違い、平日など毎日の出社義務はない。ほぼ3か月に1度の市議会本会議に出席、時折開く各委員会に出席、それ以外の日程はほぼ自由行動に近いものとなる。やや暴論的な言い方かもしれないが、余裕ある見え方は民間と比較すれば暴論でも何でもない。

 何よりも本市の財政的な面からすれば、16人体制から14人体制にすることにより、年間の議員報酬総額は約900万円もの削減になる。本市は数年前、財政の健全化を目標に立て直しを図る動きを見せた。そのことで、補助金削減やカットなどを行い、住民サービスは低下した。

 現在、昨今の物価高騰やコロナ禍の影響が残り、民間企業や個人商店は売上減など経済的なダメージを受けている。民間と公務員との経済的な格差は確実にある。民間は多くの我慢を強いられているのが現状だ。その意味からも、財政で削ることが可能な部分は削るのがこれからの時代のあるべき姿であろう。

 議員定数削減に関して必ず議論に上がるのが「地域の細かな声が拾えなくなる。我が町からの議員がいなくなる」などがある。市議選のたびに「我が地域から1議員」の声があるが、この考えがある限り、市全体として働く議員誕生は不可能だ。なぜか、地域票が取れなくなるからだ。本市は市政施行から20年が経つ。そろそろ4町個別の考え方を変え、一つの市としての考えに変えねばならないのではないか。それは市が掲げる「持続可能な社会」につながる。

 昨年、市議会は議会改革特別委員会を開き、議員定数を議論した。その中の一つの意見として「定数が減れば、市政のチェック機能として機能が落ちる」とし、定数維持が適正との意見もあった。委員会の結果は16人のままの現状維持で終えた。

 今再び思う。議員16人ならば市政のチェックが機能し、14人ならば機能は落ちるのか。議員は市民の代表だ。よって市民に問いたい。本当に議員定数削減でチェック機能が低下すると思うか。

 先の議会改革特別委員会は議員が議論し、議員が結論を出した。議員定数減など選挙で自ら不利益になる結論を自ら出すものなのか。もう少し市民の考えや社会情勢を踏まえた考えを求める。議論の余地と時間はまだある。来年の市議補選を前に、再び適正な議員定数の議論を提案したい。