2025.7.28再び議員定数の審議を求める

 市議選が終わり新たな市議会が始まろうとしているが、選挙を振り返り危惧していた選挙結果を見て、改めて議会改革の必要性を強く感じた。

 何のことかといえば、投票率の低下だ。以前の本市の選挙は、ほぼ80㌫以上の投票率を維持していた。しかし、2017年以降の市議選は80㌫を下回ることが当たり前になっている。以降は下降の一途で、ついに今回の選挙では史上最低投票率の71・12㌫。この下げ率から想像すれば、さらに4年後の市議選では70㌫を切りかねない。本来ならば、他自治体より高い投票率だった本市が、なぜ、このように低下の一途をたどるのか。

 理由はすでに選挙前の前号で示した。前回号の社説では「市民の市政への関心離れ、あきらめ感」「誰がなっても変わらない」。現実の問題では、高齢化により投票所へ出向くことの大変さ。これらにより、投票率が低下する可能性があることを予告した。

 そして、もう一つの理由にあげられるのが、議員のなり手不足だ。議員定数16人に対し、候補者数はわずか18人。ともすれば無投票選挙の可能性さえあり得る事態だ。無投票当選は、有権者から一切の信頼や審判を経ず、ただ名乗りをあげるだけで議員という役職に就くことができる。この想定が事実になれば、どれだけ市政や市民生活にマイナスになるだろうか。有権者は候補者の政治的資質を見極めることや、期待をかけたい候補者へ一票を投じることはできなくなる。それどころか、適性に欠ける人物が議員になる可能性もあり得る。

 これまでに何度も言い続けてきたが、本市の実情にあった議員定数に見直すべきだ。この4年間で3度あった議員定数削減案は、「市民の声を議会に反映させる。議会の機能を維持させるために必要な定数が16人」、さらには「選挙前に削減を提案するのは、発議者のパフォーマンスであり、議論するタイミングではない」などの理由で定数削減案はことごとく否決された。

 ならば、新たな市議会が始まったこの時期、早速、議会が手を入れていかねばならない課題は、議員定数についての建設的な議論ではなかろうか。それとも何らかの理由を掲げ、再び煙に巻くような幕切れで、定数維持を進めていくつもりなのか。

 本市の財政、とどまることがない人口減少、市民の政治へのあきらめ感や遠のいていく政治への興味、それに伴う投票率の低下。もう保身の考えはここまでにして、真剣に将来の本市のあるべき姿を想像しながら、自ら身を切る判断を下してもいいのではないか。

 選挙を終えたこの機会にはっきりと言う。議員定数を14人とする削減案を今一度検討すべきだ。その議論ができないようならば、議会の機能すら疑わしい。