2025.7.08公正公平な判断につながるために
次期市議選候補予定者説明会に出席した現職以外の4人に話を聞いた。前号、今号で記事にしたが、4人に共通する テーマは市の将来についてだった。言葉の表現こそ違えども、言わんとすることは同じであり、市政や市議会に対して何らかの疑問があることが感じられた。
過去の選挙前の取材でも、出馬の可能性がある候補予定者にさまざまな質問を投げかけてきた。事前に質問内容を告げ、回答の用意、もしくは意見をまとめた書面の用意を求め、回答しやすく配慮した。しかし、今回は、これまでとは多少の違いを設けた。
今回は「何日に伺い6項目ほどの質問をする。一問一答でその場で答えてもらいたい」とだけ告げ、質問内容は伏せた。そうすることで、考え方や思い、市政や市議会に対する本音が聞けると思ったからだ。質問に対する瞬時の発言を重要視することで、各自の政治家としての資質や適正さも図ることができる。
現職の市議は、市議選前直近の市議会6月会議があり、市民に対して報道や市ケーブルテレビ、ラジオなどで、この時とばかりに自己アピールをする機会に恵まれる。事実、一般質問には、議長を除く15人のうち、12人もの議員が登壇した。2人は勇退を表明しているので、実質は13人のうち12人の登壇になる。市議選前でなければ、これだけの議員が登壇することはない。この登壇数が意味するものは、どう見ても市議選を見据えてのものだと考えて当然であろう。
一方で、新人として立候補しようとする側は、13日の告示までは大々的に公に出る機会はない。多くの市民は人物像やどのような考えを持っているのかがわからず、顔や姿さえも知らされないまま、告示から1週間で投開票を迎える。この状況に、公正公平はあるのか。明らかに公共の電波やマスコミを使える現職が有利なのではないか。
候補予定者には公職選挙法における事前運動の禁止がある。告示前に選挙活動はできないが、政治活動は可能だ。よって、当紙は細心の注意を払いながら、また、市選管に確認をしながらインタビュー記事を作成した。市民が知らないことがあるまま迎える選挙ほど残念なことはない。より良い市政、市議会にしたい気持ちは当紙も市民と同じ考えだ。
正しい判断で、後悔することがない選挙になるよう、20日を待ちたい。市民の冷静で考え抜いた選択に期待したい。