2023.11.02候補予定者の本音を知る良い機会

 今、島の話題といえば、次期市長選の出馬候補者とイルカパークのイルカ購入の件だろう。白川市長の次期選挙の不出馬を受け、40代の若い候補予定者が出馬の意向を示し始めた。この先、複数の候補者が名乗りをあげそうな兆しがあることは前号で記した通りだ。

 白川市政の4期16年は、地方自治体の中でも比較的長期政権と言える。他市やこれまでの歴史をさかのぼればマンネリ、権力の集中、市職員などの忖度、批判や苦言などを言うことへの萎縮などが起こり得る。安定政権が長く続くとトップダウン方式が当たり前のようになり、市長独断決定型となる。さらに、自己の政治力を使い、議会採決にも議員への根回しと忖度が働き、適正な自治体運営としての二元代表制そのものが崩れることもある。

 これらは歴史の一例だが、本市はどうだったのか。これからの市政では、新たなリーダーによる新たな企画力と、市の実情に即した実行力ある市政運営を見てみたい気がする。そのために、若き候補者達の考え方には大いに耳を傾けてみたい。その発言や姿、考え方から市のリーダーたる人物か、市の活性に役立つリーダーかを見極めるつもりだ。

 そしてもう一つの話題が、イルカパークのイルカ購入だ。市議会9月会議では執行部による購入の意図や、各議員の意見を聞いた。結局、議会採決からわずか2週間ほどで購入と搬入を終えた。採決からの動きは違和感を感じるほど迅速だった。

 なぜ違和感か。過去の市政を振り返れば、何か問題が起きそうな案件はほぼ、迅速な動きがあるからだ。昨年の認定こども園建設計画とへき地保育所閉園、当初は芦辺ふれあい広場周辺が予定地だった芦辺中新校舎建設計画、市ケーブルテレビ旧指定管理者への和解金と思われる支払いなど。今回のイルカ購入も、後々問題となって紛糾せねばいいが。

 次期市長選とイルカ購入は、大いに関係がある。イルカパークは現市政の目玉的事業なのは白川市長の発言からわかる。しかし、民意はイルカ購入に反対、イルカパークそのものの見直しを訴える声もある。記者の目からは、議会採決は多くの民意とのずれがある判断だったと思う。

 言いたいことは「次期市長選の候補者は、民意をどのように見ているのか」。この案件についての発言や反応から、各候補者の考え方、傲慢か聞く耳があるのかの性格、判断力など、真のリーダーに足るのかがわかると考えている。