2025.7.20低投票率を危惧、市民が注目する政治を

 選挙が始まるたび毎回、同じ警鐘を鳴らしてきた。「市民の市政への関心離れ、あきらめ感」「議員の資質以上に地域性を重視した、馴れ合いの1票」。そしてもっとも繰り返し発してきたことは、投票に出向く人たちの減少だ。「どうせ、誰がなっても変わらない」というあきらめ感もあろう。さらにもう一つの理由が、高齢化により投票所へ出向くことの大変さが投票の低下を招いている。

 4町合併以降から市議選、市長選ともに投票率は下がり続けている。2017年までは70㌫後半から80㌫超えだった投票率は、2020年4月の市長選では、新型コロナ感染確認により投票率は67・07㌫まで下落した。以降、70㌫前半が続く。

 本市での各選挙の投票率の推移は次に示す通り、伸び悩んでいることがわかる。

▽2004(平成16)年4月18日市長選89・15㌫▽2005(平成17)年8月7日市議選88・66㌫▽2008(平成20)年4月13日市長選85・37㌫▽2009(平成21)年8月2日市議選83・77㌫▽2012(平成24)年4月15日市長選81・85㌫▽2013(平成25)年7月21日市議選82・24㌫▽2016(平成28)年4月10日市長選79・16㌫▽2017(平成29)年7月30日市議選77・22㌫▽2020(令和2)年4月12日市長選67・07㌫、市議補選67・04㌫▽2021(令和3)年8月1日市議選75・41㌫▽2024(令和4)年4月14日市長選72・64㌫、市議補選72・61㌫。

 ありきたりの言葉だが、選挙は民主主義の根幹であり、1票を投じることにより市民各自も市政に参加することができる。そのための選挙であり、唯一かつ最大の民意を示す場でもある。各議員に対するこれまでの評価を下す意味であり、新人候補者に対しては、期待値の表れにもなる。

 「たかが1票、されど1票」。これまでのような時代錯誤の選挙はもういいではないか。市民各自が持つわずか1票の積み重ねが、将来の本市を左右することを市民は自覚せねばならない。この1票は決して軽いものではないのだ。だからこそ、知り合いだからとか、地域から出ているからだとか、頼まれたからだとか安易な考えではなく、将来の本市の姿を想像しながら、慎重に投票してもらいたい。長らく市民からは議会改革を求める声があるが、市民の意識改革も同様に必要だ。

 20日、参院選とともに市議選の開票が行われる。これからの4年間、これまで以上に社会は変化していく。人口減少も続くであろう。議会も行政もこの変化に乗り遅れてはならない。そのためには、真の政治家として市のために仕事ができる人材がそろわねばならない。1票を投じる市民も、日和見、傍観者のままでは、この島は何も変わらない。