2026.1.01今年一年を振り返って

 今年も恒例の十大ニュースをまとめた。一年を象徴する出来事として真っ先に挙げたいのは、壱岐高校野球部による春のセンバツ甲子園初出場であろう。離島という地理的ハンデを乗り越え、「21世紀枠」でつかんだ大舞台。「壱岐から甲子園」という長年の夢を現実に変えた球児たちの努力は、多くの市民に勇気と希望を与えた。

 甲子園で応援に駆け付けた壱岐高野球部応援団が、応援団賞の最優秀賞に輝いたことも忘れがたい。島民ら約3千人がアルプススタンドを埋め尽くした光景は、今も鮮明に脳裏に残っている。

 さらに、滋賀県で行われた全国中学校駅伝大会での郷ノ浦中の初出場も、強い感動を覚えた出来事だった。初の全国舞台で得た経験は、今後につながる大きな財産となる。現地のマスコミから「あの漫画『奈緒子』の舞台の島から来たチームか」と声をかけられたことも、壱岐の名が全国に届いている証しである。

 こうして本市が全国に知られていくことに、素直な喜びを感じる。スポーツに限らず、文化面も含めた子どもたちの活躍は目覚ましく、行政施策や物産展などのイベントの効果をはるかに超える力を持っている。

 一方で、今年一年を行政の動きから振り返ると、別の現実が浮かび上がる。市独自の施策が、市民の記憶に残る形で実を結んだ例は多くなかったのではないか。象徴的なのはエンゲージメントパートナー協定である。56の企業・団体と協定を結んだというが、その成果や市民生活への具体的な恩恵は見えにくい。市民対話会についても、関心の低さは否めない。

 行政だけが「やった感」を持ち、市民が置き去りにされてはいなかったか。新市政発足から一年余り、「壱岐新時代」を実感できている市民はどれほどいるだろうか。

 全国の舞台に立った子どもたちは、目標に向かい努力を重ね、仲間との和と連携を大切にしてきた。その先に結果があった。聖徳太子の『十七条憲法』第一条にある「和をもって貴しとなす」という言葉が、改めて胸に響く。「和」は、行政にも大切な教えだ。

 行政と市民が同じ方向を向き、ともに歩めてこそ、真の「新時代」は訪れる。来年こそ、その姿を実感できる一年となることを望みたい。壱岐新時代のスローガンに期待を持って。