2020.2.04今一度、一票の重さを考える
4月12日に投開票の次期市長選と同時期に行われる市議補選も、出馬予定とされる候補者などが絞られてきた。市議補選は、16人の市議会議員が、昨年より1人欠員の15人のままであることからの補選になる。そのことから補選での当選者は1人になる。
現在、出馬の可能性が高いのは勝本町から1人と郷ノ浦町から1人の計2人。他にも2人ほど出馬の意向があるとの話は聞こえてくるが、不確定要素が多いために今のところは可能性低しといったところだろうか。今さら言うまでもないが、市議会議員は我々市民の代表者であり代弁者である。唯一公の場で市長や市執行部に物申すことができる立場であることから、一票を投じる市民は、確実かつ正確に民意を伝えてもらえる候補者に投じていくことが、一票が生きることにもつながる。
市議会議員などの地方議会議員とは「地方議会を組織し、その議決に関わる資格を有する者」とされ、簡単に言えば「市民の声を市政に反映させること」になる。年4回の定例会や必要に応じた臨時会に出席して、市長や他市議が提出した議案の審議や議決を行うなどの判断をする。市政が正しく運営されているかをチェックし、疑問点や問題点などがあれば厳しく追及したりなど、役割は大きい。
そうなれば、ある程度以上の市政に対する知識や判断能力がなければ務まらない。「知り合いだから」や「地域からの出馬だから」などの安易な一票は、市政運営の視点から見れば死んだ一票に等しい。やはりしっかりとした能力や発言力などを見なければ、市民の声を市政に反映することなどできない。時折市民から聞こえてくるのが「議員がしっかりしてもらわな、どうもならん」と諦めが含まれる声も。だからこそ、市民はしっかりと将来を見越した一票を投じねばならず、選ばれた市議は期待に応える仕事をせねばならない。そうであれば、先にある諦めにも似た声が上がるはずはない。
次期市長選は、現在2人が名乗りを挙げている。この先、さらに3人目が現れるのかはまだわからないが、本市の将来は、財政的にも人口減や高齢者増などの自治体維持からも楽観はできない。むしろ、10年先どころか5年先すら大丈夫なのかと思えてしまう。
「知り合いだから」「地域の人だから」などのつまらぬ一票が、本市の将来をだめにしている。しっかりとした政策や将来像、能力を持つ人にこそ一票を託すべきだ。(大野英治)